一度ワインを購入して以来、定期的にメールでワインやイベントの紹介を頂いていたベラティーナ
そんなベラティーナからのある日のメールで「ヴィーニェ・デル・マリーナ社の有料試飲会」の案内が来ていました
ワインの試飲会はたいてい参加費が高いので普段はあまり参加しないのですが、新入荷であるフリウリ・ヴェネツィア・ジュ―リアの5種のワインがたったの1000円で試飲できるそうです
最近、何となく「夏はイタリアのワイン」という気分だったし、近所だったし、カブちゃんに相談してOKだったので、2人で出かけてみることにしました
ベラティーナ
〒113-0024東京都文京区西片1-2-2
TEL 03-3868-2048
あらためて、JSAの教本でフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州について確認しておきます
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イタリアの北東部に位置するフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州は、北はオーストリア、東はスロヴェニアと国境を接し、西はヴェネト州に接していて、南にはアドリア海が広がっている。州土の大半を占めるフリウリと、東のトリエステ周辺の小さなヴェネツィア・ジュリアに分かれている
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリアは白ワインの産地として知られていて、特にCollio Goriziano/Collio、Friuli Colli Orientaliはイタリアを代表する高級白ワイン産地として高く評価されている
ただ、白ワイン産地としての名声は比較的新しく、1970年代に意欲的な生産者たちが、他の産地に先駆けてクリーンでフレッシュな白ワインを造りだしたことによる。代表的な固有品種はフリウラーノ(以前はトカイと呼ばれていた)、リボッラ・ジアッラだが、ピノ・グリージョ、ピノ・ビアンコ、シャルドネ、ソービニヨン・ブランでも良い成果が出ている
~略~
近年は固有品種による赤ワインにも注目が集まっていて、スキオッペッティーノ、レフォスコ、タッツェレンゲで個性的なワインが造られている。カベルネ、メルロにも複雑なものがある
~略~
北のオーストリア国境に沿って、アルプス山脈、プレアルプス地帯が東西に延びていて、その南に丘陵地帯があり、さらに南のアドリア海にかけては平野が広がっている。平野の真ん中をタリアメント川がアルプスからアドリア海に向かって流れている。トリエステ近郊にあるカルソ台地は標高200~600mで、アドリア海に面して細長く伸びている。石灰岩台地だが、水による溶解侵食により、数多い洞穴や地下水脈ができているユニークな土地だ
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以上、引用終わり
上記の文中、アンダーラインを引いたブドウ品種5種が今回の試飲対象となる品種
まず最初に試飲したのは、ソービニヨン。いわゆるソービニヨン・ブランとして理解してよい品種
◆Sauvignon Venezie Giulia IGT 2012
熟成:ステンレスタンク10ヶ月、瓶内24か月
アルコール:14度
桃のようなトロピカルな香りがまず立ち上がってきます。驚いたのは、ソービニヨン・ブランらしい青臭いフレッシュなハーブといった香りからは程遠いその香りの印象。口に含むと高いアルコールからくる甘みとボリューム感があります。アフターでは軽い苦味が味わいを引き締める
この生産者のワインは赤よりも白の方がアルコール度数が高い。まるでカリフォルニアの白ワインを飲んでいるかのような強い印象のワインで、これが本当に北イタリアのワインなのかと思うようなボリューム感に圧倒されます。しかもこれがソービニヨン・ブランだというから驚き
◆Pinot Grigio Venezie Giulia IGT 2012
熟成:ステンレスタンク10ヶ月、瓶内24か月
アルコール:14.5度
香りがアロマティックな分だけソービニヨンよりは丸く穏やかな印象となり、飲みやすい
◆Chardonnay Venezie Giulia IGT 2012
熟成:ステンレスタンク10ヶ月、瓶内24か月
アルコール:14.5度
このワインもアルコールが14度を超えるヘビーな白ワイン。前出の2つの白ワインよりも香りの印象は控えめですが、桃のようなトロピカルな雰囲気は共通しています。味わいは3つの中で最もシャープな印象で、甘い香りのトーンはありながら旨味も感じられる
個人的には、3つの中ではこのシャルドネが一番よかったです
ここから赤ワインに移ります
◆Refosco dal Peduncolo Rosso Venezie Giulia IGT 2009
熟成:樽36ヶ月、瓶内36ヵ月
アルコール:12.5度
フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の土着品種である、レフォスコ。白から赤ワインになって度数がぐっと下がり、このワインはアルコールが12度台に収まっている。濃いめの色合いで、プルーンやレーズンのような黒系果実のしっかりとした香りが感じられる。香りから想像したのとは違って、タンニンは意外なほどに柔らかい。穏やかでシルキーな印象で、舌の上で味わいが伸びる。旨味も感じられる
◆Merlot Venezie Giulia IGT 2009
熟成:樽36ヵ月、瓶内36ヵ月
アルコール:13度
このワインに限らず、ヴィーニェ・デル・マリーナ社のワインはしっかりと熟成をさせてから出荷するのがポリシーになっているようです。樽と瓶内で合わせて6年の熟成の歳月を経ている訳ですから、09年ヴィンテージとなるこのワインの最初の出荷は恐らく2016年くらいなのではないでしょうか。また、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリアではフランスと同様に09年はよい年だったようです
香りからはメルロらしい土っぽくブドウの梗のようなニュアンスが感じられる。これまで試飲した4つのワインとは明らかに異なる、フランス品種らしいワインの香りがします。あるいは発酵からくる漬物のようなニュアンスも。色は非常に濃く、タンニンはシルキーで滑らか
以上で、5種のワインのテイスティングは終了
個人的には、アルコール爆弾のような白ワインよりもイタリアらしい土着品種のレフォスコやアルコールを13度に抑えたメルロといった赤ワインの方に好印象でした。ここは好みの別れるところかも知れません
これだけアルコールの強い白ワインを、例えば家飲みではどのように扱ったらよいのでしょうか。少なくとも日本の日常食に合わせるのは非常に困難な印象なので、ゆっくりと単体でそのまま飲むか、あるいは味の強いおつまみ(チーズなど)と合わせて飲むのが良さそうな気がします
一方で赤ワインは穏やかでシルキーな造りになっていて、かつ滋味深い旨味も感じられるワイン。例えば、日本では定番の生姜焼きなど醤油でしっかりと味付けされた豚肉やタレで味付けされた焼き鳥なんかと合わせやすいような気がしました
ベラティーナで入荷した本数には限りがあるようだから、早めに購入するのがよさそうです
と、一通りテイスティングして通常ならここで本来は終わってよいはずの試飲会なのですが、周りの試飲会参加者を見ているとどうも様子が違う。一度テイスティングしたワインを自分でまたグラスに注いだりして、再度リピートできるようです。そして、それほど大きな店舗ではないベラティーナの店内に、始めは我々を含めて3人ほどだった試飲会参加者が、いつの間にか7~8名にまでなっています。みなさん、いっこうに帰る雰囲気がない。オーナー(坂井さん)や参加者が自腹で持ち込んだおつまみなど頂きながら、ワインを飲み続ける。そしてワインを語る
テイスティングイベントの型にはまらず、ワイン好きのオーナーとお客さん(主には常連さん)がその場で立ち上げる好意的で自由な空気が心地よい
この雰囲気、嫌いではない・・
カブちゃんはヴェネト州のソアーヴェが好きなのですが、そんなことを「会社の同僚に話したら、少しバカにされた」というような話をしたあたりから、僕たちの記憶がさらに(アルコールで)あやふやになっていきました
なぜかソアーヴェのボトルを開け始める坂井さん
ソアーヴェやキャンティなど、有名どころだが出回る数も多い分だけ有難みが薄れがちな(注:私見です)ワイン達に対しただならぬこだわりを持つ坂井さんが仕入れるこのソーアヴェ、とてもおいしかった。あまりにおいしかったので2本買って帰りました(後日、詳しくレポートしたいと思います)
※おつまみとして出して頂いた生ハム
気づいたらフェラーリのボトルも開いていました
常連さんと話をしていたらいつのまにか「恐竜の骨」についてレクチャーして頂いていました。なんでも、動物の骨というのは人間も動物も数が一緒で形状(長さや形)が違うだけなんだとか(初めて知った)
※ワインの試飲会に来ていたはずなのに、なんで俺は恐竜の骨について説明を受けているんだろう(面白いなあ)
挙句の果てに、ビールまで飲んでいたようです(定かではありませんが、しっかり苦みのあるビールだったようなおぼろげな記憶あり)
さらにさらに、バンフィのレ・リメが抜栓されていました(ここに至るともうほとんど記憶がない。追加のお金を払った記憶もない)
さすがにいつもこんな調子ではないと思うのですが、しかし近所にこうしていろんな分野でいろんな仕事を持つワイン好きが集まる場があるという状況が、ユニークで面白かった
常連の方が曰く「ベラティーナはサロンのような場所」というのもいい
なるほど
そんな場所が家の近くにあってもいいような気がする
また機会があれば出かけてみたいと思います
最後に:
酔いが回って帰りはろくな挨拶もできずそそくさと帰ってしまったような気がしており、、この場を借りて坂井さんと飲会参加者の方々にあらためてお礼申し上げます
いろいろ教えて頂いて、ありがとうございました
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