雨が降る中、僕は傘をさして少し急ぎ足で店に向かった
一足先に店についたカブちゃんが店の外からも見える。どうやら窓際の席に案内されたようだ。店内に入ると他にもテーブル席が1~2つあり、その奥は厨房を取り巻くカウンター席がある。始めのうちは客は僕たちだけだったのが、そのうち次々とお客さんがやって来た。駅からのアクセスがあまりよくない場所な気がするのだが、店内から店の外を眺めると雨降りにもかかわらずわりと多くの人通りがある
取りあえずグラスワインを2つ注文してみたのだがあまり盛りがよくない。ちょっとだけテンションが下がってしまったのは否めず、もしかしたらボトルで頼んだ方がよかったかなと少し後悔した
ただし出てくる料理はなかなかだ。ポーションは小さめだが、どれも一風変わっているというか、普段あまりなじみのないような料理が多かったのだが味はおいしい。スパイス・バルの本領発揮といったところか。そもそもスパイス・バルっていったい何なのか。なにか定義でもあるのだろうか
一言で言えばカレーのようなスパイスの料理が多かったように思う。ターメリックなのか分からないが、黄色っぽい色をした料理が多かったと思う
いろいろ言うわりにまたワインを注文する僕と、カブちゃんはビールを注文する
スパイシーな料理に合わせる飲み物はどういうものが良いのだろう。ビールは全般的に受け止めてくれそうな気がする。ワインはどうかと考えるのだが、インドでもワインを作っていることを考えるとおそらく毎日カレーを食べるインドの人たちもワインは飲むということであろうからして、たぶんワインを選択してもおそらく間違ってはいないのではないだろう
ここまで食べてみると、コザブロの料理は酒飲みのアテになるようなものが多いような気もしてくる。上品な盛り付けのものが多い。大勢でガツガツ食べるというよりも、他のお客さんとの会話を聞いている限りなかなかに喋りが上手な店主を話し相手にカウンターでちびちび飲むというのもアリなような気がした
僕たちが帰るころ、気づけばいつの間にか店内はほぼ満席だった。確かに味はおいしいし、スパイスバルという変わった形態は独特でそれがまたお客さんを引き付ける魅力になっているのかも知れない
あらためて正体を確かめるため、またしばらく時間を置いたら様子を見に来てみたい。そんな店だったように思う
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