アルさんのつまみ食い4

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群馬泉 山廃酛 生酛流 本醸造酒 <群馬>




東京の居酒屋に入ると時々目にするのが群馬泉。むかし出かけた大塚の「みや穂」にも置いてあった。時々チェックしている辛口の某日本酒ブログ(ここで言う”辛口”とは”コメントが厳しい”の意。”辛口の酒”を取り上げているブログという意味ではない)でもやけに評価が高い。そんな群馬泉を前橋に帰省した際にスーパーマーケットで購入してきた。本醸造のお酒である

季節が冬だということと、この本醸造は燗にして飲むのが良さそうなので電子レンジで温めて飲んでみることにした

色合いは軽く黄色みがかっている。絞ってすぐに出荷せず2年ほど寝かせてから出荷しているらしいとの情報もある。色合いはその間における熟成によるものかも知れない。老ね香もあるが鼻につく一歩手前でとどまっている印象で、それは香りの側面からこの酒の旨さに結びついている気がした

温めた液体は飲み口が大変スムーズで引っかかりがまるでない。本醸造だからアルコール添加してあるのだが、揮発するようなカッとしたアルコールは感じられずとても滑らかな飲み口だ。このアルコール感は液面の奥におとなしく閉じ込められており、口に含むと穏やかに広がって米の旨みと相乗する。そして適度な酸はバランサーとして機能し全体の味わいを整えている。甘みもあるのだがキレがよいため甘みが強く感じる訳でもない。冷や(常温)だと苦味やタンニンのような渋みも多少は感じられる気がしたが、燗にすると穏やかで丸い舌触りになる

とにかく舌にすっと馴染んでスルスルと体の中に入ってくる。体がポカポカするし心拍は穏やかに波打ってくる。いくらでも飲めてしまいそうだが実際にはそんなはずはなく、飲み過ぎに注意したい。しかし何という旨さか。盃を止めるのが困難なほどだった

冬場はこれさえあれば日常の食卓には十分な気がしてくる。一升瓶で約1,900円なのでワイン一本720ml換算で約800円。価格は驚くほど安い



群馬泉 山廃酛 生酛流 本醸造酒
原料米:若水、ほか
精米歩合:60%
日本酒度:+3
酸度:1.6
アルコール:15.5度
製造年月:R3年(2021年)12月
購入先:フレッセイ
価格:1890円(税別)