アルさんのつまみ食い4

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ウィスキー飲み比べ ~バランタイン・ファイネスト vs ジムビーム~




「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」ではないけれども、今回はいわゆる”飲み比べ”というものを、あまりやったことのないウィスキーでやってみよう、ということでやってみた。取り上げたのはバランタイン・ファイネストとジムビーム。バランタインはスコッチ、ジムビームはバーボンだが、ここではウィスキーとして一括りにしてしまうことにする。いずれもどこにでもある近所のスーパーマーケットで見かけるお馴染のブランドだ。ワインを始めたころもそうだったが、まずは手近なところから飲み始めてみるというのがスタイルである

このブログの記事のスタイルからすると一つの記事で一つの銘柄を取り上げることがほとんどなのだが、まだその違いがよく分かっていないウィスキーというものを1本取り上げてその個性を記述するほどのパレットや表現を持ち合わせてもいないので、2つの商品を飲み比べてみることでその違いを浮き立たせてみようという趣向だ

あくまでも2つのブランドの比較で相対的にその違いを記述するため、ウィスキー全体におけるこれら2ブランドの味わい的な位置付けのようなものはさっぱり分かっていないウィスキー素人の前提でご海容頂きたい


色・カラー

ほとんど違いがないように見えるがよく見るとバランタインの方が若干淡く見える

ややや淡い琥珀

ジムビーム:


香り

豊かな香り。アプリコットタルトタタンを連想させる。ジムビームよりもボリュームがあり、よりこってり、しっとりとした香りで要素が複雑に渾然一体となっている印象

ジムビーム:
バニラ、カラメル、シェリー樽のような香りがある。この「樽」や「バニラ」にはアメリカ産のワインにも共通するものがあると感じた。バランタインよりもすっきりとした香りがあり、より分かりやすい気がした


水を足す(トワイスアップ)

生のウィスキーに同量に近い水を足してみた

当然だが香りも味わいもインパクトは弱まる。しかし刺激的に強かったものが加水により抑えられることでよりウィスキーが持つ香りや味わいの特徴が感じ取りやすくなった

ジムビーム:
インパクトが抑えられるという点ではバランタインと同じで、しかしバランタインよりもドライで甘さも少なく感じられた


総評

奥深い。まったりとしていて、引き込まれそうな妖艶さ、ミステリアスさがある

ジムビーム:
バランタインよりは分かりやすいウィスキー。クリアな味わいで、飲むと目が覚めるようなはっきりとした味わいが印象的



こうして比較してみるとずいぶんと印象が異なることに驚いた。香りも違うし味わいも、それから鼻に抜けていく香りも全く違う。バランタインもジムビームも買ってきてからはハイボールにして飲んでいたのだが、ハイボールではこれら違いを感じることは出来なかった。生で飲み比べてみることで初めてその違いに気づいた気がする

総評にも書いた通りバランタインは奥深い香りと味わいが際立っている。イギリスやアイルランドの曇り空、緑の台地、荒れた海と海岸線、夜のロンドンの街、そういったイメージとマッチングする。それに比べてジムビームはカラッと明るい陽性のイメージだ。降り注ぐ陽光と渇いた大地のアメリカでできる酒と言われて納得ができる味わいだった