アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

”乙女の祈り”とゴミ回収車





滞在先のアパートで昼間に仕事をしているとほぼ毎日のように「乙女の祈り」が聞こえてくる。何のための音楽なのか分からなかったのだが、夜、散歩に出た時にその謎が解けた


ふと街を歩いていると人々が集まる一角があった。特に列になって並んでいるというのではなくて、その辺りに散らばって佇んでいる。まず最初に思ったのはライブハウスが開場するのを待っているのだろうか、ということだった。しかしこのご時世にライブも無かろう。では一体何なのか

この後に何が起こるのかと思い少しの間その場に立ちすくんでいたところ黄色いトラックがやってきた。あの音楽とともに。するとそのトラックが止まるや否や集まっていた人々がそのトラックの方へ向かっていくではないか。そして手に袋を持っていてそれをトラックの中に放り込んでいく


「なるほど、ゴミ捨てか!」


ここでようやく「乙女の祈り」の理由が分かったのだった

まるで「たきび」を流しながら灯油を売りに来る日本の冬場の景色と同じようだ(しかしよく考えてみると”たきび”を流して灯油を売りに来るというのは何だか物騒な気がするのだが)。実際に街歩きをするといろんな気づきがあるものだなと思った


集合住宅の場合は建物内にゴミ収集所が備え付けられているケースがある。係りの人がまとめて捨ててくれているのだと思う。自分が滞在しているアパートもそうだ。もしそうではない場合、ゴミ回収車を待って自分で捨てる必要があるのだろう。そのための「乙女の祈り」なのだった