アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

三六食粑 @MRT龍山寺駅




先日、龍山寺へ絵葉書を買いに行ったという話を書いた(「絵葉書を探して艋舺龍山寺へ行く」)。ハガキが足りなくなってしまったので追加で購入するために再度訪問することにした

前回は店の奥の方、とても分かりづらいところに箱に入れられた絵葉書を発見したのだが、今回は通りからも見えるところにディスプレイされていた。まさか、僕たちが大量買いしたせいでただ退蔵していただけの絵葉書が「これは金になるぞ!」と思ってお店の人がレイアウトを変えたということもないだろうが。今回もたくさん買って、カブちゃんが覚えたての中国で「負けてくれへんか?」と伝えてみたらちゃんとそれが伝わって、40元ほどオマケしてもらったのだった


その帰りに立ち寄ったのが今回のお店。前振りが長くなってしまったが

ここの豆花は密が甘め。そしてトッピングの具材も今まで食べた他のお店に比べると甘めだった。たいがい豆花は薄甘いイメージがあったのだが、もしはっきりとした甘さを求めるのであればこのお店はよい選択肢になりそうだ

豆花という食べ物は夏は氷を入れて、そして冬は温かくして、一年中楽しむことが出来るようだ。まだ台湾の冬を経験していないのだが、どうやらそういうとらしい。メイン食材が豆腐なわけで、豆腐を温かくして食べても何の違和感も感じない。この豆花ビジネスはうまく当たればいい商売になるんじゃないだろうかと思っている

さすがに暑い台湾でも最近はだんだんと気温が下がってきているのを感じる。通勤電車に乗っていても半袖の人をもうあまり見かけなくなった。そんな季節に訪問したこの店では豆花を注文した後にお店のお母さんが何かを僕たちに聞いてきた。しかし中国語が分からないという風にしぐさで示してみたところ「冷たいの!?温かいの!?」とまるで怒っているのかなと思うくらいに強い口調で聞いてきたのだった

けっきょく写真の通り冷たいのを頼んだのだが、店の外、テラス席(テラス、というのとはちょっとイメージが違うかも知れないが)に座った一人の年配女性はお皿から湯気が上がっているピーナッツのスープのようなものを食べていた。彼らにとってはもう寒い季節なんだろう。そして何やらお店の人に伝えてお代わりもしていた


カブちゃんと並んで豆花を食べていたら先ほどのお母さんが「これは日本語でなんて言うの?」と聞いてきた。いわゆるレンゲのことだ。レンゲ、日本では中華を食べるときに登場することが多いが、はて、これを日本語で何というのか。レンゲは中国語ではないのか。一瞬躊躇したが「レンゲといいますよ」と説明した。紙を渡してきたのでそこに「レンゲ れんげ Renge」と3種類の言葉を並べてみた。「ああ、レンゲ、その文字分かりますよ」とそのお母さん

長く日本人を相手に商売をしてきたんじゃないかと想像するわけだが、なぜいまレンゲのことを日本語で何と呼ぶのかと聞いてきたのか。もしかしたら入出国の規制が緩和されたからこれから日本人もたくさん訪れてくることを想定して単語の勉強をしているのかも知れないなと思った


カブちゃんがスマホで調べたらレンゲは”蓮華”と書くらしいことが分かった。とても中華風の漢字だと思った。そこで手元にあった紙をちぎり、オーダーを書きつける色鉛筆を使って「日本ではこういう風に書くようですよ」と示してお母さんに渡してあげたのが上の写真だ。絵も描いてみた。最初はちょっと怖いと思っていたお母さんだが、この下手くそなレンゲの絵をかきつけた紙にとても喜んでくれた。何よりだ。そして帰り際には手を振ってくれた。やはり台湾の人たちはいい人ばかりだ

その後この紙がどのように使われるのか分からないが、店のレンゲ置き場にそのまま貼られていたら面白いだろうなと想像して今は楽しんでいる



三六食粑
台北市萬華區三水街92號
02 2306 3765