アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

虎咬猪 @MRT南京復興駅





赴任して以来、ランチのローテーションに入っているお店が5店くらいしかない。3~5年ほど駐在している日本人社員と行くと必ずこの5つほどの店の中のどれかになる。同期と二人だけでランチに出かけた時に「新しい店を開拓してみようぜ」と飛び込みで入ったのがこの店。これが大当たりで、その後も繰り返し足を運んでいる。店の入り口の方を見ていると台湾人の社員たちもちょこちょこ外帯を買ったり店内で食べたり(内用)しにやってくることが分かった。僕たちが知らなかっいだけで、とても人気のある店らしいことがよく分かる

これを書いている日の前日の夜に外帯(持ち帰り)で買って帰ったものをカブちゃんにも食べてみてもらったが、上の肉まんのようなハンバーガーのような食事、すなわち虎咬猪のことだが、小食のカブちゃんには珍しく一人で食べ切っていた。美味しい、ということを意味していると思われる

虎咬猪にはピーナッツの粉のようなものがかかっていて、しかも少し甘い。この甘みがコクにつながり料理の味わいをさらに複雑かつ深みのあるものにしていると僕は思っているのだが、カブちゃんには不要な要素に感じられるらしい。次回もし食べるならピーナッツ粉は要らない、と言っていた

ところでこの虎咬猪という料理、とても名前がしゃれている。「トラがブタを噛む」という意味に読み取れるが確かに生地を大きく開いたトラの口、そして具材の豚の角煮のようなものをブタと見做せば、なぜこのような料理名がつけられているのかとても合点がゆく


内臓のスープは四神湯。おそらく”全部入り”を意味する(総合)をいつも頼んでいる。クセのない臓物でとても柔らかい。いわゆるトリッパのスープだが、四神とは漢方のことを意味するようでもある。個人的な感想としては、漢方というと薬っぽかったり薬膳ぽいようなイメージを抱くのだが、食べてみるとそのような印象はない。ただし少しアルコール感があるように思う。食べた後に少し酔っ払ったような感じがしないでもない。外帯を頼んだ時に店頭での作り方を横で見ていたら、ペットボトル入りの黄色っぽい液体を入れていた。味醂のようなものかも知れないがよく分からない


他には「油飯」という料理もあって同期はこれがお気に入りだ。例えるなら粽(ちまき)の中のご飯のようなもので、それが葉っぱに包まれずにお茶碗に盛られて出てくる。もち米だと思うけれど、モチモチしたお米に旨味が浸みこんでいて、それは確かに美味しいのだ。腹持ちも良さそうだ

外帯で頼むときに、この漢字「油飯」は何となく読めそうだなと思い口頭で「ヨーファン」と伝えてみたらちゃんと伝わった。大と小があるのでついでに「シャオ」と。油は加油のジャーヨー、頑張れという意味だったと思うが、そのヨー。飯は、前任者がよく店で「ダーファン」と言ってライス大盛を頼んでいたのを覚えていた。大飯でたぶんダーファンと読むのだと思う。ちなみにオニギリのことはイーファンダンというらしい。これは部下のローカル社員に聞いて勉強したことだが


それとこれは余談だが、この店にいる女性の店員さんが可愛らしい。同期は「おばちゃん」と陰で勝手に呼んでいるが僕は実はおばちゃんというよりももっと若い方なんじゃないかと思っている。世話になった不動産会社のAさんもてっきり20代、せいぜい30代かと思っていたところ本人に聞いたらなんと40歳だった。不動産巡りの途中の車内でとてもショック(?)を受けた覚えがある。しかもお子さんまでいた。まあそれはいいとして、とにかく台湾人はとても若く見える人が多い気がする

その”おばちゃん”だが、マスクをしているからよく分からないのだが、小柄で、声が可愛らしい。同期もこの”おばちゃんの甘い声”に釣られて足を運んでしまっているような節もあるようだ。きっと今週も出かけることになるだろうと思っている



虎咬猪
台北市中山區遼寧街97號
0938918984