アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

huit(ユイ) @人形町




中目黒ビストロKのソムリエが人形町に店を開いた。そんな情報を当人からカブちゃんがメールで情報をもらった。なかなか行く機会がなかったのだが帰国した際に出かけてみたらとてもよいレストランだった


日曜日の訪問だったということもあり、さすがにまだ太陽が昇っている時間ではあったが翌日の月曜日に備えてだいぶ早い15時から予約を取った。店はビルの5階にある。エレベーターを降りるとすぐ扉の前でソムリエが出迎えてくれた。再開するのはいつ振りだろう。もう5年くらいは経ってしまったような気もする。挨拶もそこそこに、テーブルに着いて早速お願いしていた料理を提供して頂いた

「ついに料理もするようになってしまったんです」というソムリエの料理はどれも見た目も美しく、味わいも素晴らしかった。自家製のドレッシングやソースにもこだわりを感じたし、どの料理も手間もかかっているような気がする。里芋のコロッケなんて初めて食べたような気がするが、衣のカリッとした食感と里芋特有の粘りのコントラストが楽しい。パスタだって茹で加減はベストだったと思う

一番価格の安いコースを頼んだのは申し訳なかったが、実はこの値段で飲み放題付きである。果たしてペイしているのかどうか、こっちが心配になるほどの(いま風でいうところの)コスパの良さだ


この日、ブラインドでワインの飲み比べなんかもさせて頂いた。こういうのがとても楽しい瞬間だ。ただしほとんど品種すら当てることが出来なかったのだが。ミュスカ、ソービニヨン・ブラン、カベルネ・フランピノ・ノワールあるいはシュペート・ブルグンダーなど。あまりに外すので「鈍ってしまいましたね」と言われてしまう程だったが、そう言えば味覚が鋭かったことなんてそもそも無かったのだった


それとこのお店「ユイ」のユニークな点は、飲み物としてワインと日本酒を同じくらいの比率で重視している点だ。いずれも醸造酒という点で共通点はあるし、西洋の食中酒の代表がワインなら日本のそれは日本酒だ。それらを同等に扱っているというのは、原料が決定的に違う等を考慮しても考えようによっては自然なことのようにも思えてくる。なかなかそうしてみようというお店が少ないというだけなのかも知れないが(ほかにもよくあることなのかどうか、僕は知らない)、あえてそこをウリにしているという点が面白い。日本酒の海外輸出も増えてきているし、かの地でどのような料理に合わせて日本酒が飲まれているのかその現場を見たことがないから分からないのだが、ユイで提供されるような料理に日本酒を合わせても悪いことはないだろう。新たな組み合わせ(いわゆるマリアージュ)を試してみるのも食事に変化があって楽しそうだ


お店は22年8月にオープンしたそうだからまだ半年と少しくらいしか経っていない。僕たちにとっては人形町の、いや、東京における新たな定番になる店の誕生を祝福したいと思う。また帰国したら出掛けてみよう



huit(ユイ)
東京都中央区日本橋人形町2-10-11 KYOE PLAZA 5F
050-5590-2032