4日目、いよいよヴァッハウ渓谷に向かいます
今日は前日にウィーン西駅で買っておいたヴァッハウ・コンビ・チケットをフル活用していきます
それと、ワイナリー「ニコライホーフ」への訪問はこの旅行のメインイベントの一つになります
早起きをして地下鉄でウィーン西駅に向かう。予定では8:20に出るREXという電車に乗ることにしていて、これだと途中で乗り換えなく直行でメルクまで向かうことができる。海外の電車の途中乗り換えは危険だと思っていたので。到着は1時間後の9:20
出発前に駅の中のカフェで朝ごはんを済ませました
ここの女性店員さんは1人で働いていたのですが、不愛想ながらも手が空くとコーヒーの機械を拭いたり、商品を並べ直したり、生のオレンジジュースを作って瓶詰して商品棚に並べたりと、かなりきっちり仕事をしていました
オーストリアではドイツに出かけた時に感じたのと同じような街の清潔感、人々のまじめさのようなものを感じましたが、そういえばオーストリアはドイツ語圏ですね。似ているところがあるのかも知れません
ウィーン西駅もかなりきれいで清潔
これがREX
REXの社内。だいぶきれい
カブちゃんがまたアンカーのアイスコーヒー飲みたいということで電車に乗る直前に買って持ちこみ
車窓の景色
1時間であっという間にメルク到着
駅前の道を下って行くとすぐに修道院が見えてきます。だいぶ上の方にあるし、いまは下り道を下っている訳だから、このあときっと坂道を登るんだろうなあ、、などとと思いながらズンズン進んでいきます
しばらく行くと広場のような場所が見えてきますので、そうしたら右の方に入っていきます
お店はホテルが両側に並んだ通りを進んでいく
メルク修道院
入り口付近でコンビチケットを見せると、通常のメルク修道院見学用のチケットに交換してくれました
内部は写真撮影禁止なのを知らず写真を撮っていたら、先ほど親切にチケットを交換してくれた係りのおばさんから叱られてしまいました・・ごめんなさい。撮った写真も消しました
内部はじっくりみると見応えしそうでしたが、11時発のクルーズ船に乗らなければいけないのでやや急ぎ足で粗っぽく見学していきます
修道院から眺める景色
遠方に見えるはドナウ川。いまいるメルク修道院からヴァッハウ渓谷クルーズの船乗り場まで歩いて行く距離感もだいたいつかめます
ヴァッハウ渓谷クルーズ
メルク修道院を後にして、来た道を同じように戻っていき、最初の広場の先の方まで来ると看板が見えてきます
別れ道では「Linienschiffe(Sightseeing cruises)」と書いてある方向を目指す。初めて来たら右左どちらに行くか悩んだと思うのですが、事前にネットで調べていたのでその通りに動いてみる
道順は合っていたようで、乗り場はもうすぐ
どんどん歩いて行くとこのようなチケット売り場が見えてきます。メルク修道院の時と同じように、コンビチケットを渡すと本物のクルーズ船チケットに交換してくれます
メルクの船着き場
11時発の船はすでに到着しています。船の入り口でチケットを見せると、若い係の男の子がチケットを太陽にかざして”このチケット本物ですかぁ~?”のようなおちゃめなしぐさで迎えてくれました・・
日本で調べていた時は「船が混んでて乗れなかったらどうしよう」と心配でしたが実際はご覧の通り。日本からOBBにメールで問い合わせて「予約しなくても大丈夫」という返信を受けていたので半ば安心しながらも、少しだけ不安は残っていました。日本では観光地は混みあったりしますがこちらではそこまで混雑するということがあまりないのかも
定刻になりいよいよ出発。船はドナウ川の支流を少し入ったところに停泊船しているので、バックでドナウ川まででて、そこでUターンしてからクレムス方面に向かいます
メルク修道院がだんだん遠ざかっていく
ここからデュルンシュタインまで、約1.5時間のクルーズが続きます
デュルンシュタイン
僕たちは船の最後尾の屋外のところで過ごしたのですが、船を降りてからあらためて見てみると他の多くのお客さんは陽の良く当たる最上階だったりレストランスペースだったりで飲み物を飲んだり食事をしたりしてゆったり過ごしているようですね。レストランに入ったら何か注文しないといけないのかななどと考えて席を取りませんでしたが、船の最後尾で過ごしたのはちょっと貧乏性だったかな・・
街はドナウ川からは少し高いところに位置して、見下ろすと先ほど船に乗って通ってきたドナウ川の景色が一望できます
デュルンシュタインの街はとても小さく、街の端から端まであるいてせいぜい5分くらいでしょうか
どういうわけかロードレース用の自転車に乗っている人をよく見かけたので、このあたりはそうしたサイクリングコースになっているのかも
街を抜けると川沿いのブドウ畑に出ました
さすがヴァッハウ。当たり前なんだけど、植えてあるブドウはグリューナーフェルトリーナー
ドメーヌ・ヴァッハウの看板とともに
シュトッキンガーホーフ
すでに昼時を過ぎていたので食事をすることにして向かったのがこちらのレストラン。レストランというよりも、ホイリゲという方が正しいのかな
場所はデュルンシュタイン駅、もしくは街のインフォメーションのすぐ近くにあります
この日もとても暑かったのでまずはビールを・・(4.3ユーロ)
僕たちの他にも数組のお客さんがいました。緑がたくさんあって、半分屋外のようになっていて、暑いけどとても気持ちがいい空間
頼んだ料理がこちら。暑さで少し食欲が落ちていたということもあって、メインのがっつりとした料理は避けておつまみのようなものを2皿。左がソーセージとザウワークラウトの盛り合わせ。右が生ハムの盛り合わせで、真ん中の白いのがたぶんラードだと思います。ラードをこういう形で食べたのは初めてですが、ようは脂ですよね・・?
ハウスワイン(2.0ユーロ)というのもあったのですが、お店の人に聞いたらグリューナーフェルトリーナーと他のブドウのブレンドだということだったのでそれは止め、グリューナーフェルトリーナーのフェーダーシュピールを(4.0ユーロ)。本場で飲むとさすがにおいしく感じます
ホイリゲを出て駅前にあるインフォメーションに向かいました。ニコライホーフまで向かうためのタクシーを呼んでもらうためです。平日(火曜日)だったとはいえ、ヨーロッパの小さな町のインフォメーションがきちんと営業しているのか不安だったのですが、中に入ると係の女性と観光客らしき女性1名が話をしているところです。よかった、とにかくきちんと営業はしているようです
ニコライホーフに行きたいことを伝え、タクシーを呼んでほしいということもちゃんと伝わった。タクシーはどうやらクレムスからやってくるようで、15分~20分くらい待ったでしょうか
果たしてタクシーはちゃんとやってきて、インフォメーションの女性が行き先を伝えてくれて、車に乗り込む
ニコライホーフ
地方にあるワイナリーというのはだいたいが静かな場所にあるというのがこれまでの経験で分かっていましたが、タクシーは最初このワイナリーの前に到着したもののあまりにも人気を感じないひっそり感だったため運転手さんは一度この場を去り、別の場所に連れて行ってくれました。その場所は確かにニコライホーフの施設だったのですが、ワイナリーではなく宿泊施設だったようで、そこから歩いてもう一度この場所まで戻ってきました
これがワイナリーの入り口。扉は閉まっているし、どうやって入ったものか。カブちゃんが扉を叩いたりしているうちに、どういう経緯か覚えてないけど、最終的には扉を開けて中に入る僕たち・・
中に入ると大きな木が陰を作っていてテーブルもズラリと並んでいます。確かニコライホーフでは結婚式なんかもできるのですよね。きれいな場所です
事前にメールでワイン購入のために訪問したいことを伝えていました。やり取りしていたのはヴェレーナさん。名前から想像するに女性だったと思います。てっきり若い女性を勝手に想像していたのですが、まず最初に顔を出てくれたのは少しシニアな女性。その後に若い女性が出てきてくれてワインの説明など僕たちの対応をしてくれたのですが、それがおそらくその方がヴェレーナさんだったものと思います
ニコライホーフではワイナリー見学のようなものは受け付けていなくて、はじめはレストラン利用を勧められました。水曜日から金曜日までは17時から、土曜日はお昼の12時から、それぞれレストランを利用することができるようです。ただ僕たちがヴァッハウに行くのは火曜日でスケジュールには合わないので、ワイン購入のためだけに訪問を申し込んでいたのです
建物の中でワインリストを見せてくれ、その中から日本へ輸出していなさそうなもの2つを選んで購入することに
そのあと、幸いなことにワインセラーを見学させてくれました
ニコライホーフのワインセラーに入れたことにかなり興奮してしまい、写真をとにかくバンバン撮りまくりました・・。ただセラーは比較的こじんまりとしていたように思います
セラー見学の後は醸造施設まで見せてくれました
博物館においてあるような醸造設備ですが、実際にまだ使用しているのだそう。中央にあるのがブドウを絞る機械
ブドウから出た果汁はここを伝っていき・・
この穴から下の方に落ちていく仕組みになっています。果汁に余計な負担をかけないように重力を使った造りになっているみたい
ワイン造りにはビオディナミを取り入れている(この牛の角、匂いを嗅がせてもらったのですが、、全く匂いがしませんでした)
ひとしきり説明をお聞きして、外に出たら雨が少しパラついています
雨が上がるのを待つ間、僕たちが選んで買ったワインを実際に飲ませて頂くという幸福な瞬間がやってきました
知らなかったのだけれど、ニコライホーフでは実はリースリングの生産比率が50~55%ということでグリューナーフェルトリーナーよりも多いのだそうです
まずは3番のグリューナーフェルトリーナーを頂きました。「2017 NIKOLAIHOF IM WEINGEBIRGE GRUNER VELTLINER FEDERSPIE」というワイン。ぺトロール香とアプリコットのような果実の爽やかな香り。味わいには深みもあり、適度な酸味が心地よい。樽の香味も感じられました
続いて7番。「2011 NIKOAIHOF VOM STEIN RIESLING FEDERSPIEL」。これはリースリングになりますが香りの印象はより穏やか。そして3番同様にアプリコットのような香りときれいな酸。やはりただならぬ深みを感じるワインです
ヴァッハウではアプリコットを使用したお酒も名産品になっているようだから、ワインからアプリコットのニュアンスが感じられるのは当然のことなのかも知れません
帰りはタクシーを呼んで頂いたのですが、途中で事故があって?来られなくなってしまったとかで、あらためてタクシーを呼んで頂くことになってしまいました
タクシーを待つ間、このワイナリーに到着してまず最初に顔を出してくれた女性、それがまさにサース家のクリスティーネさんだった訳ですが、「もう少ししっかりしたワインをいかがですか」というので、遠慮なく喜んで頂戴したのが次のワイン
頂いたワインリストで言うと30番と31番のワインになります
※背景に映っているのがクリスティーネさん
30番は「2002 NIKOLAIHOF WINOTHEK RIESLING」というワインで、価格は何と95ユーロ・・。複雑な香りをまとったワインで、リースリングと言いながら白コショウのようなスパイシーさを感じるワインです
そして31番は「2004 NIKOLAIHOF STEINRIESLER RIESLING」というワインで、価格は35ユーロ。米ぬかのような香りでリッチな旨味を感じるワイン
これらワインを頂いている時間帯は、正直に言ってまさに夢のような時間で、ワインを丁寧に味わう余裕がなかった。サース家の当主が僕たちの相手をしてくれている訳ですから・・。おまけにカブちゃんはクリスティーネさんが書いたヴァッハウの料理本まで頂いて、カブちゃん自身の自分の名前入りのサインまで頂いて・・
僕たちなんかを相手に色々話をしてくれました。日本の明仁天皇に会ったことがあるとか、日本への輸出はファインズ(サントリー)を使っているとか、ワインジャーナリストの”アオキフミコ”は親しい友人なんだけど知っているか、などなど・・
ようやくタクシーも到着したようです。アルコールも入って夢のような時間を過ごしたワイナリーを後にし、クレムスまで向かいます
クレムス到着。この町には駅前にタクシーがたくさん止まっていました。オーストリアは駅前でタクシーが拾いやす国なのかも
17:51発のフランツヨーゼフ駅行きに乗ることにして、それまで市内を歩いてみることに
SPARはウィーンにもたくさんあってとても便利なスーパーでしたが、ここクレムスにもありました
OBBに乗り込みます
ヴァッハウ、楽しかったなあ・・
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