アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

2018年 オーストリア&ハンガリー旅行 ⑩




<トカイ編>

8/13(月)、ハンガリーでのハイライトの一つであるトカイに向かいます

エゲルにも行くかどうかかなり悩みました。せっかくハンガリーに来たのだからエグリビカヴェールも試してみたい。だけど、やはり1日に2か所訪問するのは時間的に厳しそうでタッチして帰るだけになってしまいそう。行ってきた、とはいえるかも知れないけれどしっかり見るにはやはり1か所に絞った方がよさそう

最後はトカイ一本に絞りました




ブダペストのケレティ(東駅)7:25発、トカイ10:07着のインターシティに乗ります





駅を出て、トカイの街中に向けてしばし歩いて行く


みちすがら、ペニー・マーケットというスーパーに立ち寄って少しだけ買い物

ティサ川に架かる橋のたもとに出ました


これが貴腐ブドウに必要な霧を生むティサ川か・・


暑い中をてくてく歩き、ようやくトカイの街の入り口に到着


街の地図を示す看板があった。これはトカイの土地の地形などを理解するのに便利

さらに歩いて行くと街の中心部辺りにでました



ラコーツィ・ピンツェ



トカイでの目的地の一つ、ラコーツィ・ピンツェ。地球の歩き方に乗っていたワイナリーの一つ

ここではテイスティングしかできないと思っていたのですが、行ってみて分かったのがテイスティングワインセラー見学がセットになっているということ。毎時間、時計の長針が一番上を指す時間ごとにツアーがスタートするそうです

テイスティングコースはいくつかあるのですが、僕たちは白のドライワイン、甘口、そして貴腐と様々なワインを6種テイスティングできるコースにしました


ポーランドからやって来たカップルと一緒に、ガイドを含めて5名でツアースタート





天井からは木か草の根っこが飛び出てきています


よく見ると奥の方がガスっています。気温が低いながら湿気が高いのですね。ワインの保存には最適


京都のお寺の枯山水のように、地面がしましまになっているのは盗難防止のためなんだそうです。足を踏み入れると跡が残る


壁は真っ黒のカビで覆われているのですが、新しいカビは白いのだそう。これもいずれ黒くなっていく。こうしてどんどん入れ替わっていくみたい


さて、いよいよお待ちかねのテイスティング。バスケットに入れられたワインが運ばれてきました




1. Hetszolo Tokaji Furmint 2015 (price:2,600.-/750ml, alc:13.79%)
トロールの揮発的な香り、果実味と酸味のバランスがとてもよくおいしい。ステンレスタンクのみ




2. Hetszolo Tokaji Furmint Nagyszolo-dulo 2015 (price:5,500.-/750ml, alc:12.92%)
樽使用あり。1番に比べるとグッとまろやかでオイリーなテクスチャー。酸はより穏やか




3. Hetszolo Tokaji Sargamuskotaly 2017 (price:3,700.-/750ml, alc:11.53%)
マスカットを使用したワイン。アロマティックで華やかな香り。ドライな味わいも甘みも感じられフルーティな飲み口




4. Hetszolo Tokaji Furmint-Harslevelu Kesoi Szuretelesu 2015 (price:3,900.-/750ml, alc:11.82%)
重油のような香味が立ち上がり、甘みも感じられる。しっかり系のワイン




5. Hetszolo Tokaji Edes Szamorodni 2012 (price:6,000.-/750ml, alc:12.6%)
4番よりさらに香りがしっかり。口に含んだ時に重みがありトロリとしたテクスチャー。ドライフルーツによく合いそう




6. Hetszolo Tokaji Aszu 5 puttonyos 2004 (price:6,000.-/750ml, alc:10.6%)
6種のテイスティングコースで唯一のトカイ・アスー。まるでハチミツのようなワイン




村上春樹の「もし僕らの言葉がウイスキーであったなら」の中で”お酒は空気つき”というような記述があったように思います。その土地で作られたお酒はその土地で飲むのと同じ銘柄でも日本で飲むのと味わいの感じられ方が違う。土地の空気は明らかにお酒の味わいに影響を与えている。そういうことって、あると思います


ワインセラーを出て、ショップでいくつかワインを買うことにしました。僕たちがテイスティングした6種のワインも分かりやすく棚に並んでいた

ワイナリーの方から「もし興味があれば、(地図を用いて)この辺りに畑があるので行ってみたらどう?ブドウもつまんで食べてみてもらってもいいよ」ということでワイナリーの畑の位置を示してくれました。事前にメールを送ってワイナリー訪問ができるかどうかを尋ねていたので、僕たちがとてもワインに関心があるということを察して教えてくれたようです

結局時間が足りずに畑に出かけることはできなかったのですが、電車でトカイを去る時に車窓から畑の様子を見ることはできました。これは後ほど



ラコーツィ・ピンツェをあとにし、ワイナリーで紹介してもらったレストランで食事することにしました。場所はワイナリーから見える程の距離にあります

ライトでヘルシーなランチでしたが、驚くなかれ、これで約500円。2人で約1000円という、あらためてハンガリーの物価の安さを感じたレストラン


レストランを出て少し周辺を散策



時間もあったのでもう一つワイナリーを訪問しました



ヒーメシュウドヴァル


ラコーツィ・ピンツェよりもう少し山よりにあるワイナリー。こちらも地球の歩き方に載っていたワイナリー


広いテイスティングルーム


僕たちが選んだテイスティングメニュー。少し酔いも回っていたので2人で1つのコースをお願いさせて頂きました


1. Furmint 2017 szaraz dry (price:2,990.-/750ml, alc:14%)

2. Muskotaly 2017 semidry (price:2,990.-/750ml, alc:12.5%)

3. Koverszolo 2016 sweet (price:3,990.-/750ml, alc:13%)


4. Cuvee Kaleidoscope 2015 sweet (price:2,990.-/375ml, alc:12%)

5. Aszu 6 puttonyos 2013 sweet (price:9,900.-/500ml, alc:10.64%)

メモを取る余裕がなかったので何も残していませんでしたが、、一つ一つ丁寧に説明しながら注いでくれました



その後、まだ見たことないブドウ品種がかかれているメニューがあったので単品でお願いしました


ZETA 2017 dry (price:3,490.-/750ml)

ZETAは”ゼータ”と発音すればよいみたいで、トカイに特有の品種のようです

香りはかなり穏やかで控えめ。ミントやハーブ、それにグレープフルーツやライムなどの柑橘類。酸も乗っていて果実味のバランスが良く果実の旨みが口内に残る。よく冷えていてグラスも少し曇っていますが、軽い苦味が後味を引き締める優良な白ワイン

ゼータ、これは新しい発見でした。覚えておこう


テイスティングが終わってお会計をお願いしたら「ワインセラーを見ていくか?」と言って頂いたので、お願いしました



規模としてはラコーツィ・ピンツェよりも少し小さいかな

テイスティングルーム



これでトカイ観光はすべて終了

また来た道を駅まで戻ります


ラコーツィ・ピンツェで教えてくれた畑の場所はトカイ駅からほど近い場所にあって、駅から見ると畑の端がみえます

電車が来るまでまだ15分くらいあり、急いで行けばたどり着きそうな場所にあったので、カブちゃんを駅に置いたまま線路をまたいで歩き始めたちょうどその瞬間に駅のアナウンスが・・

ハンガリー語だったので何を言っていたのか分からないのですが、もしかしたら線路に入ったために警告されたのではないかと思ってしまい、畑まで行くことを止めてしまいました

僕たちが乗る1つ前の電車(行き先が違う)の到着が近づくと同じようなアナウンスがありましたので、後でわかったことですが単に電車の到着を知らせるものだったようです


そうこうするうち僕たちが乗る電車が到着


駅を出るとすぐにブドウ畑の景色が広がりました。遠くに”HETSZOLO”の文字も見えます




最後に

トカイに来る時の電車はしっかりエアコンが効いていて寒すぎるくらいだったのに、帰りの電車は何故かエアコンが全く効いておらず・・。そして、窓も開かない。それなのにこちらの人たちは文句も言わず(いや、言っていたかもしれないが)席に座ったままパタパタ扇いだりする人もいるにはいましたが、ちゃんと自分の席に座って静かにしています。じっとしているだけでも汗は出るし、真夏にも係らず窓ガラスが(人々の汗の)湿気で濡れているというような異常事態でも、車掌さんに向かって文句を言うような人はいない。こういう時のヨーロッパの人たちのメンタリティーは日本とはだいぶ違いますね(日本だったら確実にクレーム出ると思う)


この旅でつらい体験の一つでありました





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