アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

Kurt Rosenwinkel "Caipi"


そのギタリストの名前は聞いたことがあったが音楽はほとんど聴いたことがなかった




たまたま図書館で借りて聴いてみたのが2017年リリースのCaipi。まず青みがかったグリーンを基調としたジャケットが印象的で、青い空に緑色の山。そして手前には赤、紫、ピンク、青やオレンジの花々。しかし”花”といってもその花びらは花びらのようには見えず、先端は鋭角でなんだか尖った歯車のように見えなくもない。この世のものであるようでこの世のものでもないというような。明るい色調だが、不穏な雰囲気もある

そんなジャケットに収められた音楽も、ジャズだと思って聴いてみたら拍子抜けしてしまった。「まるでレディオヘッドじゃないか」というのが最初の印象。ギタリストの作品だがギターはそれほど入っていない。多くの曲ではドラム&ベースにピアノやホーンが乗っている。たまに聴こえてくるギターサウンドにはエフェクトがかけられていて、いわゆるビバップなジャズっぽさよりもだいぶ前衛的なものに聴こえる。ボーカルも入っているがそれもギタリストのカート・ローゼンウィンケル本人の歌声らしい。確かにジョージ・ベンソンも歌っていた気がするが、ジャズギタリストが歌うっていうのが意外だったのみならず、ほとんどの楽器を自分で演奏して多重録音で製作したのがこのアルバムらしい。多才な人だな・・


10枚くらいアルバムを出しているそうだが現時点ではその最新アルバムに位置付けられるのが本作。カート・ローゼンウィンケルの作品を聴く順番としては最初にイレギュラーなものをチョイスしてしまったのかも知れないけれど、一部を取り出して「この曲のこの部分がいい!」というような聴き方もできなくないのかも知れないが全体的にミドルテンポの曲ばかりでBGM的に聴くにも悪くないし、実際すでに何度も繰り返し聴いてしまっている。過去の作品をこれから掘っていった後にあらためてこの作品に戻ってきた時に新しい気づきもあるかも知れない

そんなことを楽しみにしつつ、カート・ローゼンウィンケルの他の作品をあたっていってみることにしよう




Kurt Rosenwinkel "Caipi"
1. Caipi

2. Kama
3. Casio Vanguard
4. Song for our sea
5. Summer Song
6. Chromatic B
7. Hold on
8. Ezra
9. Little Dream
10. Casio Escher
11. Interscape
12. Little (Japan Bonus Track)