アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

第3回JSAブラインドテイスティングコンテスト 決勝


昼休みにふとJSAのホームページを見ていたら

 「第3回JSAブラインドテイスティングコンテスト 公開決勝」

の告知を発見し、「これは何だか面白そうだな」と思いカブちゃんを誘って久しぶりに品川まで出掛けて見学してきた。2017年に始まり今年で3回目の開催となるようだからまだ歴史は浅いコンテストみたい





471名の応募者の中から予選を突破した12名が優勝を目指し争うようで、15時半からの開始に間に合ったような気がするものの到着した時すでに決勝戦は始まっていて、席に座れると思っていたのに超満員で、しかたなく壁際で立ち見。こんなに人気のあるコンテストだったとは・・


コンテストの具体的な進め方の様子についてはここでは割愛するとして(客席から見ていてもとても楽しい運営だった)、驚嘆すべきは当たり前だがやはり選手たちのそのテイスティング能力の高さ。すべてブラインドで鑑賞して、そこからブドウ品種、産地(なんとAOCを問う問題もあった)、ヴィンテージ、アルコール度数、セパージュ、あるいはそのワイン達を北の産地から順番に並べてみたり、製法を述べてみたり、小売価格を想定してみたりということを短時間の中で、しかも大勢の見学者の前で正確かつスピーディに行うということは容易なことではない。人前に出ればただでさえ緊張するだろうに、そんな状況の中で頭をクリアにしてひたすらワインに向き合い、分析し、経験と照らし合わせて導かれた結論を回答していく


ある意味において家飲みのワインは事実関係の追認作業に過ぎないといってもよい。スペインワインを飲もうと自分で店の棚からクネのリオハを選んで買ってきて、家でラベルを見て抜栓して、グラスに注いで色を見て、香りをかいで飲んでみて、「うーん、確かにリオハのワインの味がするよね。クネ、相変わらず旨し」と思うのとは話の順番が全く異なる。コンテストでは先にワイン自体を鑑賞してからそのワインが入っていたボトルのラベルに記載されているであろう産地、銘柄、ヴィンテージ、アルコール度数などを想像して回答していく。当然、同じワインを飲んでもある人はテンプラニーリョだと思うかも知れないし、またある人はメルロだと思うかも知れない。あるいはそれが白ワインだったらある人はミュスカデだと思うかも知れないし、またある人は甲州だと思うかも知れない。そうするとおのずと導き出される地図上の産地としては全く別の場所にたどり着いてしまうわけで





初めて見学したけれど思いのほか賑やかで臨場感のある運営だったので楽しかった。客席には応援のウチワを持ってきているチームや(おそらく選手が働いている店の)お手製の旗を掲げているチームなどもあり、またそれぞれに自分たちが応援する選手に声援を送ったり、さらには選手が正解すれば歓声を上げて大きなリアクションを取ったりと、動的な会場だったように思う。静粛な空気がピリピリとする中でじっとテイスティングして淡々と行われるコンテストだと思っていたのでこれは意外なことだったし、一般に公開しイベント的に仕上げた会場運営はJSAのウマさでもあったように思う


おかげで、というべきか、ただ見学しただけの自分の心の中にも見終わった後で久しぶりに何かフツフツと湧いてくるものがあったように思うイベントでした