アルさんのつまみ食い4

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2019年 アンダルシア旅行④ セビーリャ


いよいよシェリー酒の故郷、ヘレス・デ・ラ・フロンテラに向かう

三大酒精強化ワインの産地としては2007年に訪れたポルト以来の2カ所目。セビーリャを朝8:30に出るカディス行きのレンフェに乗り、揺られること約1時間。電車は静かにヘレスの駅に滑り込んだ


駅から街の中心にあるアレナル広場までは歩いて約20分。広場にはツーリスト・インフォメーションが隣接していたのでそこで地図をもらった。係の女性はとても親切で、事前に予約していたゴンザレスビアス(ティオペペ)のボデガ見学までの12時までの時間を利用してみておくべき近隣にある建物などを教えてくれた











ゴンザレスビアスはアルカサルのすぐ隣に位置している。まず受付で料金を支払い、ツアーの開始まで入り口近くの建物でしばし待つことに。見学者は大勢いて、言語をスペイン語と英語の2コースに分ける知らせがあったため僕たちは英語のコースに入ることにした。人数比で言うと圧倒的にスペイン語ガイドを選んでいる人が多かったから、おそらくスペイン国内から見学にやってくる人が多いのだろう。英語ガイドについた観光客はおよそ20名くらいだったと思う





ボデガ内部がかなり広大な敷地であるためか、あるいはツアー客が勝手に余計な場所に立ち入らないようにするためか、ところどころの移動に汽車風の車両に乗り込んで移動していく



畑はボデガから離れた場所に位置していると思うが場内にもところどころブドウの木が植えてある。シェリーの原料と言えばパロミノ、ペドロヒメネス、それにモスカテルの3種。おそらくこのブドウの木もそのいずれかだと思うが、いずれにしても土壌は白い色をしていてこれがいわゆる”アルバリサ”と呼ばれるヘレス独特の土壌なのかと思うと感慨もひとしおだ



ボデガ内部に入るとこれまたシェリーと言えばで有名な”ソレラシステム”がすぐに目についた。面白いのは、足元はすべて土壌むき出しになっていること。土の上にソレラシステムが組まれているその意図はよく理解できなかったが、きっと熟成と関係があるのではないかと思うが定かではない



産膜酵母のフロールも分かりやすい展示をしていた。ソムリエ協会の教本に載っているものの現物を目の当たりにすると理解も深まるように思う





この辺りからセビーリャに戻る帰りの電車が気になり始める。日本人の悪い癖だと思うが日程を若干タイトに組み過ぎてしまったことで試飲時間をゆっくりと過ごすことができなかったことはとても後悔した

12時からスタートするツアーは予定では約1.5時間かかるので、順調に行けば13時半頃に終わる。そしてヘレスからセビーリャに戻る電車は14時に予約を取っていた。ボデガから駅まで歩いて約20分であることを考えるとかなり厳しいスケジュールだ。しかも慣れない土地だから道を間違えてしまえばヘタをすると乗り遅れてしまいかねない。日本のように電車の本数が多いところと違い、乗れる電車を選ぶとこういう日程になってしまった



テイスティングしたのはシェリー2種。一つは最も有名なティオペペのドライシェリー(写真左)だった。もう一つは甘口のシェリーだが、注がれるときのボトルを見た時の記憶では「FROST」とラベルに書かれていたような覚えがあるもののネットで調べても出てこない。記憶違いだったのだろうか

おつまみにチーズ、クルミ、そしてサラミのような加工肉が出されたが、時間を気にして焦る気持ちであまり味わう余裕はなかったもののシェリーにはよく合うものだった。やはり酒は空気つきの飲み物。産地で飲むシェリーの味わいは格別だったことには間違いない



この時点で13時半をすでに回っていた。他の見学者たちがまだ試飲を続けている中、時間に終われる日本人2人は早々に場を後にして速足でヘレスの駅に向かうのであった

なお、ティオペペの見学は以下のサイトから予約が可能。僕も日本からこのサイトで予約をした。参考に記載しておく


GONZALEZ BYASS
住所:Calle de Manuel María González, 12. 11403.Jerez de la Frontera. Cadiz.




15時頃にセビーリャに戻ってからは、今度は16時からアルカサルの見学。こちらも日本から事前予約していたもの。このアルカサルは非常に見応えがした。「ペドロ1世宮殿」と「庭園」から構成されているが、特に庭園が素晴らしかったと思う。イスラムの雰囲気を感じさせる建築と南国を思わせる植生の木々たちが織り成す景色は異国情緒に溢れていた














時差があるがすでに日本は新年を迎えた時刻。セビーリャでの2019年もそろそろ終わりに近づいていたが、年内最後の晩ごはんもバルで取ることにした。食事は大変おいしくてこのバルも当たりだったと思う。カブちゃんが事前に調べて食べてみたいと言っていたナスの素揚げのようなタパスも食べられることができたし、どれを食べてもおいしかった











移動もあってとても疲れてしまい、ホテルに戻って少し仮眠を取ることにした。まだ時差ボケが残っているのかおかしな時間の仮眠になってしまったが、24時になる頃にベッドから起き上がるとホテルの外では花火を打ち上げる音がする。2020年になったのだ

カブちゃんとホテルを抜けだしセビーリャ駅の近くまで出てみると、寒空の中にも街のあちこちから花火が打ちあがる様子が見られた



今日はこれでおしまい。早いもので、明日朝に目が覚めたらセビーリャの最終日だ