セビーリャの最終日
この日をどう使うべきかずいぶん悩んだ。選択肢としては、まず１つめは現地ツアーに参加しロンダに行くことであり、２つ目はコルドバに行くこと。そして３つ目はこのままセビーリャに残ってゆっくり市内観光に費やすこと
結論としては３番目の選択肢をとったのだが、理由としてはまず疲れがたまっていてあまり動く力が湧いてこなかったということと、もう一つはコルドバに出かけてもグラナダやセビーリャと似たような感じになってしまって新鮮味がないかなと思ったこと。セビーリャに到着してからはカテドラル、電車に乗ってヘレスまで移動し、戻ってきてアルカサルを見たり。まだゆっくりとセビーリャの街をよく見てないのでじっくりと時間を費やすことにした
まず、最後のセビーリャの夜にフラメンコを見てみることにし、チケットを手配するために事前に調べていたタブラオに出かけてみた。「カサ・デ・ラ・メモリア」はすでに開いていてチケットを求めるお客さんがすでにいた。事前に調べていたよりも料金が高かったのは新年初日の公演だからということもあるのか、料金は一人２５ユーロだった
取りあえず夜のスケジュールはこれで確定した。それまでの時間は自由にセビーリャの街を歩いてみることにする
メトロポール・パラソルは開場前にすでに行列ができていて僕たちも列の最後尾に並んだが、入場にはずいぶん時間がかかった。地下はローマ遺跡のようなものがあり博物館もあるようだ。そしてエレベータで展望台にも上ることができる。事前の調べでは展望台に上がるのは２ユーロ程度、それとは別に博物館見学も２～３ユーロ程度だったはずなのだが、なぜかこの日は展望台に上がるだけで５ユーロだった。ちなみにこの日は元日だったせいなのか分からないが博物館に入ることもできなかった
昼はレストランでランチ。アンタッチャブルのザキヤマさんによく似た陽気で明るいウェイターさんに勧められパエリヤとマグロのステーキを食べたが、このマグロステーキがかなりのボリューム。スペイン人はそれほど体つきが大きくないけれども、それでも日本人に比べるとつくづく食べる量が違うと思い知らされる
ヌエバ広場からトラムに乗ってスペイン広場まで移動。スペイン広場はものすごくきれいな広場だった。逆にきれいすぎて現実味がないような気がするくらいに。なんだか東京ディズニーランドのような感じすらしてくる。たくさんの人たちがのんびりと時間を過ごしていて、ギターを演奏したり、フラメンコを踊ったり、こちらでよく見かけたシェア電動キックボード「Lime」に乗っている人もいたり。その横を人を乗せた馬車がコトコトと通り過ぎていく
１８時からフラメンコを見学。タブラオによると思うのだが、ここカサ・デ・ラ・メモリアはステージと観客の距離が近くて思いのほか迫力があった。初めてのフラメンコは十分に楽しめるものだったが、演者は横に長いステージのほぼ右寄りのところで歌やダンスを繰り広げていたため、ステージ向かって左側に座っていた僕たちからは少し距離を感じてしまった。座る位置よっても見え方にだいぶ差が出てくるように思う
１時間にわたるショーの撮影ができるのは最後の５分間のみ。ギター奏者が「今から撮影いいよ」といい、観客はカメラやスマホを取り出して撮影を始める。踊り手が３名（女性２名、男性１名）、歌い手が１名、そしてギター奏者が１名の計５名によるものだった
セビーリャ最後の夜もバルで食事。クルスカンポはこの旅行ではもう何度も飲んでいるが、やや苦味のある深い味わいがとてもおいしかった。特に街歩きをして喉が渇いた後のビールは最高だ
スペインらしいタコ足の一品。ふっくらした食感でとてもおいしい
ホタテ入りのリゾット。米を使った料理はいつ食べてもほっとする
赤ワインはラベルを見るとバロン・ラドロン・デ・グエバラ。やはりリオハのクリアンサだった。カジュアルな部類のはずだがなぜか土地の空気を吸いながら飲むと異常に旨い
これでセビーリャでの日程はすべて終了
思えばあっという間だった。グラナダに比べるとセビーリャはだいぶ大きな街で、見るべきところもたくさんあったから飽きることがなかった。僕たちはおよそ３日間の滞在だったがもっと長くいても楽しめたと思う
駅前のホテルまでタクシーで戻る。こちらでは初乗りがだいたい１．７ユーロ。市街地から駅前まで乗って、運転手や道路の混み具合にもよるが、およそ４～７ユーロ。かなり利用がってがよいと思う。財布に１０ユーロ札しかなかったのだが、運転手は僕たちにお釣りを渡すため車を降りてホテルの受付に行き、自ら両替までしてくれたりした。とても親切だ。タクシーは全く不安がなかった
いよいよ明日からは最後の目的地、パリに向かうことにしよう
