2012年2月29日
いまから8年前のうるう年に解散した椎名林檎率いる「東京事変」というバンドの存在を知ったのはその遥か後になってからのこと。それまでは洋楽ばかりを聴いていたし日本の音楽シーンにはほとんど注目していなかったこともあり、東京事変というバンドが存在することを当時は全く知らなかった
東京事変が解散してからしばらく時間が経過してからようやくあるきっかけでその存在を知り聴き始めてからというもの、すっかりお気に入りバンドの一つになってしまった
そんな訳でリアルタイムでバンドの演奏を聴いたことはなく、ラストライブのDVD(もちろん名作『Bon Voyage(ボンボヤージュ)』のことだ)はディスクが擦り切れるほど(?)繰り返し鑑賞しては演奏と演出の素晴らしさにため息をついてばかりいたのだが、解散から8年後となる2020年1月1日にリユニオンするという情報を耳にしてからというもの「いやはや、20年は忙しい年になるぞ」と意気込んでいたわけだ
思えばリユニオンの”予感”のようなものはあった
16年末、NHK紅白歌合戦で「青春の瞬き」を演奏する椎名林檎のバックバンドが東京事変のメンバーだったからだ。年末年始でプラハ旅行に出掛けたおりに現地で見るネットのニュースでもこのことが話題となっていて、帰国してから録画しておいた紅白の映像を見てあまりの感動にカブちゃんと共にほほを濡らした
そんな東京事変が2020年に再始動してから地上波で最初の出演が4月3日のミュージックステーション出演だったんだろうと思う。生放送で”リアルタイムに動く”東京事変を見たのはこれが最初ということになるのだが、その演奏曲がこれまた名作「能動的三分間」だというのだから目が離せなかった
ちなみに林檎ちゃん(”あ”~ぃいがぁ~ すべぇ~てさぁ~ぁ🎵”の方のりんごちゃんではない)が掛けていたメガネをよく見ると「SOAVE AMORE」と書いてある。まさかヴェネト州の白ワインSoave(ソアーヴェ)とは関係がないのだろうが、ネットで調べたところこれはイタリアのブランドGucciのメガネだそうで「甘美なる愛」を意味するらしい。ちなみにファッション界では”メガネ”ではなく”アイウェア”というらしいことを知った
いずれにしても20年は東京事変のライブに行ってみたり新作を聴いてみたりと「忙しい年になるぞ!」と思っていたのだが、年初に予定されていたライブチケットは混雑する販売サイトにアクセスできた頃にはすでに売り切れで、コロナウィルス騒動で解散日と同じ2月29日に決行したライブは各方面から叩かれたこともありその後の予定はすべて中止となり。彼らの再始動としては何とも出足が悪い年になってしまったと思う
とはいえまだ東京事変という名の”祭り”は始まったばかりだ
4月8日にはリユニオン後で最初の新作となるEP「ニュース」も発売された。5人のメンバーが一曲ずつ手掛けるという作法は2012年、解散前にリリースしたEP「color bars」と同じだが、聞き比べてみると確かに演奏のニュアンスは紛れもない東京事変のそれではあるが「Color Bars」よりはいくぶん演奏に厚みが感じられスケールアップしている気もする
しばらくはこのEPを聴いて過ごすことにしようと思う。早くコロナ騒動が収束に向かい、晴れて生の東京事変を見られる日が来るとよいのだが・・
東京事変 "ニュース"
1. 選ばれざる国民(作詞:椎名林檎 作曲:浮 雲)
2. うるうるうるう(作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉)
3. 現役プレイヤー(作詞:椎名林檎 作曲:亀田誠治)
4. 猫の手は借りて(作詞:椎名林檎 作曲:刄田綴色)
5. 永遠の不在証明(作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎)