アルさんのつまみ食い4

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第4回JSAブラインドテイスティングコンテスト (前編)


今からおよそ1年前に「第3回JSAブラインドテイスティングコンテスト 決勝」というタイトルの記事を書いた。それから1年が経ち、今度は自分も参加してみることにした。参加するのは特に難しいことではない。参加料を払えばだれでも参加が可能だ。予選は8日後の9/12(土)に開催される

コンテストだからと言って特段の準備はしていない。本気で決勝進出を考えているならやはりある程度の訓練を繰り返さないとお話にならないだろうが、予選から2~3%しか残れないコンテストでぽっと出の愛好家(と言ってよければ、だが)が上位に入れるような甘い世界の話ではないだろう

しかしこれも一つのテストのようなものであると考えれば、受験であれば過去問を調べるのが当たり前なのと同じように、僕もそれなりに過去問を調べてみることくらいのことはしてみる訳で。これまでにまだ3度しか開催されておらずそれほどサンプルが多いわけではないので簡単に調べることができた


まず、出題される飲料は全部で6種類。ワインが4種、その他飲料が2種。ワインはだいたい赤白が2つずつ(年によってはロゼが1種入っていた年もあるようだった。たぶん第1回のシラーだ)。そしてその他飲料としてはヴァンドリキュール(コニャック)、イモ焼酎、吟醸酒、オードヴィー(フランボワーズ)、純米大吟醸、そしてホワイトポートがこれまでに出題されている

今回はワインに限定し、過去問を並べてみるとこのようになるらしい



「回」は開催回を意味する

さて、このリストを見てどう思うだろうか。品種で言えば見慣れた品種が多く並んでいると思うが、しかしよく見るとあまり聞き覚えのないような品種も中には混ざっている(いや、有名品種なのかも知れないが自分はよく知らない)。その代表格はルカツティリ。舌がうまく回らず発音すらが難しいこの品種はジョージアの品種で、産地はカルトリというらしい。こんなブドウを当てられる人が果たしているのだろうか

もう一つ、ツヴァイゲルト・レーベも出題されている。これは昨年に札幌のバーで飲んでいた(その時の記事はこちらご参照)。いま記事を読み返すと「ブラインドで飲めば日本ワインとは思えないような味わいで」と書いている、過去の自分。おそらく本番だったら間違いなく外している


過去を見ても将来予想の役にはあまり立たないと思うが、少なくとも毎年品種は重なっていない。2度出題された品種がないという点は要注目だ。これも回を重ねるうちに品種も重複してくるだろうが、少なくともこれまでの出題にはそういう傾向は見えている

そこで、まだ登場していない品種、かつ教本(の資料編)に載っている品種のうち代表的なものを拾ってみるとこのようになる



生産国は主なものを記載した

白ならアイレンやバフース、黒ならドルンフェンダーやグロローなどマイナーな品種、あるいはトゥーリガ・ナシオナルやティンタ・ロリスなどのポートワインの主原料やパロミノやペドロヒメネスといったシェリーの主原料なども含めなかった。これらを除いている時点ですでにバイアスがかかったリストであるものの、その点も含めご笑覧頂きたい(もっとも、酒精強化ワインの品種が単体で出てくることはほぼないとは思うのだが)

このリストに載っている品種から出題される可能性はけっこう高いと思っている。しかしそう思っていることと実際に問題として出されるかどうかはまた別の話だ。そしてそもそもブラインドテイスティングとは出題されると思われる品種を予測することでもないはずだ。ブラインドテイスティングはそこにある液体を鑑賞して、感じ取れる情報の中から正解を導き出していくという極めてピュアな作業である。すでに予想に走っている点でバイアスといくばくかの先入観が生まれている。こうした作業がゆえにより正解にたどり着けなくなる可能性にもまた注意せねばならない


それ以外には産地と品種の関係はあらためて教本などをあたっておこうと思う。12年にワインエキスパート資格を取得してからところどころ知識も剥離してしまい、心もとなさがある

こないだは寝ている間の夢にまでブラインドテイスティングのことが出てきた。何気なくプレッシャーに感じているのかも知れない自分が何だか可笑しかったのだが。いずれにしても夢なのに妙にリアリティがあり、ワインの味わいまでありありと感じられた不思議な夢だった。その中で2番目に飲んだ白ワインの品種名が、喉まで出かかっているのに思い出せない。朝起きてからもずっと思い出す努力をしたけれど、結局その品種を思い出せたのはその日の午後、池袋ジュンク堂のワイン本コーナーで調べた時だった(”ヴィオニエ”である)

記憶したはずのことが最近うまく頭の中から出てこないことが多い。よく会う人の名前すらも、ときどき危うい。ここは注意が必要で、試験前にあらためてざっと産地と品種の関係くらいは舐めておく必要はありそうだ


今回は、実際のコンテストに受ける前の一人の参加者の心境として、あるいは準備として、いったいどのようなことを感じ、行うのか、そうしたことを記録したもの

いずれにしても全3回でブラインドテイスティングコンテストのことを書いてみたいと思う。今回がその1回目で、この後はコンテスト参加後の体験と感想を(中編)として、正解と結果が判明した時点で(後編)として書いていく予定だ



第4回JSAブラインドテイスティングコンテスト (中編)
第4回JSAブラインドテイスティングコンテスト (後編)