クリーンで深みのある赤紫色
非常に華やかな陽性の果実、それに赤い果実のチャーミングな香り。時間の経過と共に鉄のニュアンスやバニラの香りも出てくる
甘みが強めでクリアなテクスチャー。とても滑らかな舌触りで、タンニンはきめ細かくザラつきはほとんど感じられないほどのシルキーさ。キュッとする酸もきれいだ。陰干しブドウを使用している割りには華やかさと軽さを感じさせるワインだが、パッシートで1千円(税抜)を切る価格は破格ではないだろうか
ちょうど約1年前に飲んだイ・バルジ ロッソよりも価格が安いことから、おそらくこちらの方が下のレンジに位置するのだろうと思われる。ただし今回取り上げたワインにはその商品名に”ピエモンテ”の名が入っていることからすると、前回の”ロッソ”よりもブドウ生産地がより限定されているような印象を受けるのでどちらかというとこちらのワインの方がいわゆるグレード的に言うと上のような印象も受けてしまう。少しややこしい。とは言え価格差は200~300円程度のようだからそれほど大きな差があるという訳でもないのだが
しかし飲んでみると味筋は微妙に異なるような気がして、やはり味わいの印象としてはイ・バルジ ロッソの方がより洗練されていて味わいも奥深く複雑な感じがする。ブドウ品種も異なっているようで、あちらがコルヴィーナ・ヴェロネーゼに対しこちらはラベルにある通りバルベーラ。味の違いが品種に由来するのかどうかまでは把握しきれないが、いずれにしてもどちらをリピートしたいかと問われればやはりイ・バルジ ロッソに軍配が上がると思う。もちろん、最終的には好みによると思うのだが
ワイナリー:カーサ・ヴィニコラ・ナターレ・ヴェルガ
ヴィンテージ:2019年
アルコール:14.0度
インポーター:重松貿易
価格:999円(税別)