ベトナム、ホーチミンを旅する方のためのタクシー利用の注意点
思い出してもあまりに気分が悪く、またあまりに忌まわしい事件を招いてしまった自分に向き合うのが嫌でなかなか書くことができませんでしたが、なんとか書いてみようと思います
「2015年ベトナム旅行①」の冒頭で書いた”事件”についてです
手配した飛行機の関係で、ホーチミンの空港に到着したのは深夜過ぎ
空港についてから近くにとっておいたホテルまでの移動はタクシーを利用することにしました
飛行機を降り、バゲージクレームで荷物をピックアップし、空港の外に出てタクシーを探しました
すると、一人の男が近づいてきました
タクシーの運転手らしき彼は身分証明書を僕たちに提示してきた
そこにはホーチミンの有名なタクシー会社の名前が書いてあります
事前に調べておいた信頼のおけるタクシー会社の名前がそこに書いてあったため、この男の運転するタクシーを利用することに
しかし、案内された車にはタクシーらしい塗装もなく、いわゆる「白タク」であることに気づきました
はっきりいって白タクに乗るつもりもなかったのですが、ホテルまでの距離は近いし、交渉で何とかなるだろうし、何といってもここはベトナムですから高額の料金が請求されるはずもないだろうと踏んだわけです
白タクと分かりつつ、荷物を車に積んで出発することにしました
この段階で値段交渉はしていません
タクシーに乗って最初に気づいたのはメーターがないこと
この点を指摘はしましたが、どっちにしろ白タクですからそもそもメーターがついているはずもなくどうしようもない
少し走るとすぐに空港エリアを出るところにある料金所にたどり着きます
これは最初から知っていましたし、空港の出入りにかかる費用を乗客が負担するということも一般的のようです(当然、乗車料金に含むという考え方もあるかも知れませんが)
ここで初めて金の話になりました
僕は成田空港で使い慣れないベトナムドンに両替し、封筒に入れたままホーチミンまで来ています
この封筒から、両替したお金(すべて札。ベトナムでコインはほとんど流通していないようです)を全額取り出し、値段交渉の過程で慣れないベトナムドンを数えました
まず言われた金額をベトナムドンで数えると何ドンなのか、またそれを日本円に換算するといくらくらいなのか
これがまだピンと来ていません
そのために札を数えていたわけですが、人前で札を数えるという、この行為自体がすでにまずかった
知らない人の前で封筒から札を出して数えるべきではないのです
もし言い訳をするならば、日本での仕事の疲れをそのままホーチミンまで持ち込んでしまっていて、うまく頭が働いていなかったせいなのかも知れません
いずれにしても、用心深さが欠如していたのは事実です
運転手は運転席から後部作責の僕たちに向かって振り向き、身を乗り出して、
「俺が数えてやるからその札を俺に渡せ」
というようなことを言ってきました
これも今思えば全くおかしいのですが、僕はこともあろうにすべての札を運転手に渡してしまったのです
油断していたと言えばそれまでですが、
・こんな狭い車内でお金を盗めるはずがない
・お金を取って逃げようとしたって、車を置いて逃げるわけにはいかないだろう
そう考えていたのだと思います
運転手の男は僕からお金を受け取ると、数えはじめたのですが、そのときの手つきがどうもおかしい
数えながら、ほんの一瞬の出来事ですが、札束がいくつか運転席(運転手と背もたれの間)に落とされたように見えました
数える手をほんの少し運転席の背中に隠すようにし、一瞬のうちに札束のうちの数枚を後部座席の僕たちから見えない運転席に手際よく落としたように見えたのです
ただ、いくら車内の明かりをつけているとはいえ、暗い車内でははっきり見えたわけではありません
その後、運転手は札束から数枚を抜き取り、僕たちに見せ、「XXドンでどうか」と言ってきます
運転手にお金を渡してからここまでの時間が少しかかっていること自体がおかしいのです
例えば30千ドンなら30千ドンで、現地人なら札束からすぐに30千ドンを仕分けることはできるはずなので
この時間が、上記のような運転手のスリのテクニックにかけられた時間になるわけです
(この時点で、怪しいと思いながらも僕にはスラれたという確信が持てませんでした)
そこで僕はもう一度すべてのお金(その時点で残っているお金。スラれた後だからこの時点でもう全額ではありません)を運転手から取り戻し、言ってきた値段からのディスカウントを要求しました
もともと札束はある程度の厚みがあり、戻ってきた札束がスラれた結果として薄くなっていたかなどの微妙な差には気づけません
ホテルに到着し、運転手がトランクのスーツケースを取りに車を降りる瞬間、僕が運転席の背もたれをのぞき込むと、運転手は札(この時は1枚しか見えなかった)を後ろ手に回収するのが見えました
ここでほぼ確信をし、後部座席から降りようと思いましたがロックがかかっていてすぐに降りられなかった
運転手がスーツケースを車から降ろし、おそらく回収した札をポケットにしまったあと、ゆっくりと後部座席のドアを開けました
車を降り、スーツケースを受け取った後、運転手に言いました
「ポケットを見せてくれ。僕たちのお金を取っただろう」
運転手は、僕たちから受け取った交渉の結果で決定したタクシー代から、先の空港を出る時に支払った通行料金を差し引いた結果の札を僕たちに見せます
ようは、何も怪しいことはないと言っている訳です
お前たちから受け取ったタクシー代から空港への通行料を払った残りがこれだけだ、と
もう一度、「いいから、ポケットを見せてくれ」と言いましたが、今度は逆ギレ気味に文句を言い始めました
もっとも、僕もどうしても確信が持てたわけではありません
証拠がある訳でもないし、言葉で交渉説得ができる程に語学ができる訳でもないし、向こうもベトナム人の運転手ですから英語が堪能なわけでもない
ホテルの前で騒いでいても仕方なく、どれだけスラれたか定かではありませんが、あきらめることにしてしまいました
ホテルの部屋に入り、成田で受け取った額といま手元にある金額の差額を計算したところ、日本円で約2万円の差があります
やはりどうやらスラれてしまっていたらしく、またその額も結構な額となってしまっていました
反省すべき点は多々あります
アジアも含めた海外旅行はこれまでで17回出かけているし、慣れているという油断があったと思います
海外旅行での失敗としては、2007年のポルトガル旅行でリスボンの市電で腰につけていたデジカメ(コンパクトデジタルカメラ)をスラれた時以来の大失敗
気をつけたいと思います
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