アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

澤乃井 純米生原酒 しぼりたて <東京>





ほぼ透明に近い淡いイエロー

クリアな質感でサッパリとした舌触り。旨味のある辛口の日本酒だがしっかりと酸も乗っていて飲み飽きない味わいがある。日本酒に比べるとかなり高い17度前後のアルコールは清涼感をもたらす。日本の日常の食事にはよく合いそうな気がする

年末から飲み次いで、最後に飲み終えたのは結局20年3月までかかってしまった。開栓後の生原酒をこんなに長く冷蔵庫で保管してしまって日本酒の常識において大丈夫なのかどうかを僕は知らないが、新酒のフレッシュさはありながも柔らかな口当たりを伴うまろやかさが出てきたような気もして個人の印象としては大変に飲みやすくおいしい日本酒だったように思う



カブちゃんの会社関係者がイギリスから来日していて、お酒も好きだしせっかくだからと会社のみなさんと一緒に東京からもアクセスがよい澤乃井を訪問したのが19年の秋深まる季節。この日本酒はその際に酒蔵で購入してきたもの

最初はジャパニーズ・ウィスキーの蒸留所を訪問しようとサントリーの白州蒸留所に申し込みをしようとするが満員。次にキリンの富士御殿場蒸留所を検索するもこちらもダメ。年末に訪れたパリの酒屋の店頭に飾られたジャパニーズのポジションの位置からしてその世界的な人気は推して知るべしだが、飲むに飽き足らず人々の興味は国内の蒸留所にも向かっているかのようだ


自分用に一升瓶の日本酒を購入したのはこれが多分初めてではないだろうか。抜栓前は冷蔵庫の野菜室に横にしていたが、開栓後は中身が漏れるのが心配で横にはできず、どうしようかと考えた挙句数本分の4合瓶の空き瓶に移して冷蔵庫で保存した

熟成やコスパを考えると、日本酒は一升瓶で購入する方がはるかに合理的だろうと思う

こんなことがあると日本酒専用にペンギンのマークがついた「ホシザキ」の小型冷蔵庫が欲しくなってしまうわけだが、しかしこれを一つ購入すれば日本酒だけでなくビールや牛乳だって、場合によってはこれから暑くなる季節に美容パックですらひんやり冷やすこともできて気持ちいいはずだ、といったような口実が一般家庭内において成立し、晴れて自宅にホシザキ製品を迎え入れることができたという殿方は世にはかなり少ないだろうと思う


それから一升瓶を購入する場合は買ったそのあと、すなわち空き瓶を捨てるタイミングにも気をつけたい。一升瓶をごみ置き場に運ぶところをたまたま同じマンションの住人であるところの小さなお子様連れの奥方に見られるとたいそう恥ずかしい思いをする、ということも申し添えておく

とりわけコロナウイルスにちなんだ平日の在宅勤務や休暇の際に見つかると「会社に行っていない」「酒瓶を持っている」状況を目撃されることとなる上に、同様に捨てようと思っていた段ボールでも一升瓶ほどの大きさになるともう隠し切れず、図らずも隠そうとしてしまった自分の行動ともあいまって、より恥ずかしい思いをすると思う。たぶん(筆者の体験談)

一升瓶を抱えているところに通りかかった奥方が、たまたま「世界や日本の産地や酒税法等に関する膨大な地理学や法律の知識、あるいはアルコール発酵に関する化学の知識から公衆衛生までの幅広い理解を備えた知的な住人が同じマンションに住んでいる」などと思ってくれればそれはまさに僥倖と言っていいはずだが、たいていの場合はそうでないケースが多いと思われる。気をつけられたし



澤乃井 純米生原酒 しぼりたて
蔵元:小澤酒造株式会社
住所:東京都青梅市沢井2-770
原料米:米(国産)、米麹(国産米)
精米歩合:65%
アルコール:17度以上18度未満
製造年月:R1年(2019年)10月
購入先:小澤酒造の清流ガーデンで
内容量:1800ml
価格:2750円(税込)