アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

San Patrignano Start/サン・パトリニャーノ スタート <イタリア>




艶がありややグリーンがかったゴールド

コクがあり味わいはかなりしっかりと感じられる。シルキーで滑らか、そしてタイトで丸い質感を伴うまろやかな甘みとコク。余韻も長い。それでいて後味には木の芽のような爽快な苦味も感じられ、それが複雑さと重くなり過ぎない要素として機能している

香りと味わいの調和がとれていて全体的なバランスがよいスパークリングだ。2日目以降に少し泡が抜けてから飲んでみてもおいしい白ワインだった。まるでエフェクターを外してアンプ直で鳴らしても素晴らしい音色であるかのような

飲んだ後に調べたらブドウ品種はサンジョベーゼ。あまりスパークリングは飲みなれないのだが、ブラン・ド・ノワールはこういうコクのある味わいになるということなのだろうか




ブログ掲載にあたりワイナリー「サン・パトリニャーノ」のホームページを調べてみたところどうもワイナリーらしいホームページの造りではない。商品としてのワインの紹介もみあたらない。それでインポーター「オーバーシーズ」の商品紹介ページを見てようやく合点がいった。このワインはワイン専業メーカーが作っている訳ではなく、麻薬中毒者の厚生施設におけるプロジェクトから生み出されたワインのようなのだ


以下にオーバーシーズのサイトから抜粋させて頂く

----------------------
紺碧のアドリア海を臨むエミリア・ロマーニャ州リミニの丘から高品質なワインの数々を送り出し、イタリア国内外の権威あるガイドブックからも賞賛を受ける造り手であり、若者達を麻薬の連鎖から断ち切るための画期的な試みとしても社会的に高い評価を受けるプロジェクト。1978年開設。リミニの狭小な土地で、ヴィンチェンツォ・ムッチョーリ氏によって設立された施設では、麻薬中毒の若者らが技術習得と社会復帰を目的として、家族の様に絆を深めながら、葡萄の栽培からワインの醸造、酪農から生ハムや乳製品の加工、テキスタイル、プロダクトデザインなど様々な事業に従事している
----------------------
(引用終わり)


これを読んではっとした。このワインがどういうところでどういった目的で作られたかを理解したうえであらためてラベルを見てみれば、そこに「スタート(Start)」と銘打たれたことの意味も分かろうというものではないだろうか



ワイン:スタート
ワイナリー:サン・パトリニャーノ
ヴィンテージ:NV
アルコール:12.0度
インポーター:大丸興業
購入先:東京大丸
価格:2475円(税込)