アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

小説『縄紋』ゆかりの地を歩く

 
真梨幸子さんの小説「縄紋」の舞台として文京区が登場する。僕たちが住んでいる場所に比較的近くよく知っているような場所で登場人物が殺されたり(!)おかしな状況に陥ったりするので、本を読んでいて「あ、この場所も出てくるのか!」と興奮したり、「あんなところにこんな場所があったのか・・」と新しい発見があったりして、ワクワクしながら楽しく読むことができた
 
小説を読み終えてからそれら小説に出てきた場所を熱心な真梨ファンのカブちゃんとともに訪ね歩いた。いわば「聖地巡礼」というようなものかも知れない。しかし”聖地”と呼ぶにはやや物騒な取り上げ方をされている場所だったりするのだが
 
 
 
「お化けだんだん」「千駄木ふれあいの森」
 
団子坂上から南へ、汐見小学校を左手(東側)の眼下に見ながら薮下通りを進んでいく
 
 
 
少し迷いながら歩いていくと「お化けだんだん」の降り口を発見
 
 
 
 
お化けだんだんを上から見下ろす。想像していたよりも細い階段だ
 
 
 
お化けだんだんを下から見上げる。”お化け”の名の由来はここにオバケが出るからではなく、上りと下りで階段の段数が異なるから、らしい(実際に段数が異なるのかどうかは実際に歩いてぜひ試して頂きたい)
 
 
 
お化けだんだんを降りきったところに千駄木ふれあいの森がある
 
 
 
なぜこんな場所にこのような森が残されているのか。確かに不思議な場所だ。小説「縄紋」ではこの場所で登場人物の一人が気を失うことになっている
 
 
 
千駄木にこんな場所があることを全く知らなかった。汐見小学校という名が示す通り、縄文海進期にはこの辺りが海岸線を形成していたのだろう。今でこそ坂の上も下も陸地だが、その昔はここがちょうど海沿いの崖だったのだと思われる。境界線には不思議な雰囲気と魅力がある
 
 
 
「極楽水」
 
小説「縄紋」の中では”芸能人が住んでいそうなマンション”として取り上げられている場所にある。すでに10年くらいこの辺りに住んでいるが、こんなものがあることは全く知らなかった
 
 
 
小説の中ではこの次に取り上げる小石川植物園の「太郎稲荷」「次郎稲荷」との関連性について触れられている
 
 
 
 
 
「太郎稲荷」「次郎稲荷」
 
小石川植物園に稲荷が2つあることを知らなかった。調べてみると確かに植物園のサイトでもその存在について触れている。しかしその詳細な由来はよく判らないままだった
 
まず最初は太郎稲荷。陽当たりもよく明るい雰囲気が感じられる稲荷だった
 
 
 
 
次に次郎稲荷。こちらはやや陽が陰る奥まった場所にあり、少し不気味な雰囲気がある
 
 
 
 
 
 
久々に訪れた小石川植物園だったが、歴史ある場所ゆえか、よく観察すれば園内にはさまざまな遺構が残されているということなのかも知れない。しかも由来の定かでないものが点在している
 
でもそれでいいんじゃないかという気もしている。すべてが白日もとに詳らかにされる必要はないのではないか。謎は謎のままにしておいてもいいと思うし、妖怪が跋扈するような暗闇が残されていていい
 
 
 
 
 
 
 
 
あらためてじっくりと園内を散策した中でお気に入りの木を見つけた。その名は「モミジバスズカケノキ」。巨大で、淡い緑と白の斑点模様で彩られる肌の美しい木だ。その名の通りモミジのような大きな葉を持つ
 
と、この記事を書いている時にモミジバスズカケノキのことを調べたところ別名を「プラタナス」と言うらしい。プラタナス。名前を聞いたことがあるがそれがモミジバスズカケノキのことを指すとは知らなかった
 
そのプラタナスは信じられないほど大量の落ち葉を地面に落としていた。観察している間にも空からヒラヒラと枯葉が落ちてくる。そんな落ち葉を地上に落ちる前に手のひらで回収するような遊びも、子供時代に戻ったような気分で、楽しかった