台北ワイン会へ参加したあと同じ方面のメンバーでタクシーに乗って帰ることにした。タクシーを降りて「それでは、また」と方々に帰宅したのだがそのうちの一人が「もう一軒行きませんか？お連れしたいところがあるんです」ということで出かけたのがこちらの店
店には看板もなく店舗の入り口にはガラクタ、と言っては失礼かも知れないが、不要になった家財道具等が置かれていて狭い。ぶつからないように奥の方へ入っていくとこのレストランが広がっている。何だかキツネにつままれたようだ。外観からはそれがレストランだということに全く気付かなかった。何度か通っている道だったのに
ボルゲリを１本注文し、あとはお任せの料理が数品でてきた。ここは酒や好みに合わせて料理を作る仕組みになっているらしい。聞けばシェフの専門は日本料理とのことだったが写真のようにイタリアンもこなす腕前。アルデンテを超えるような、少し粉っぽいほど固ゆでのパスタ。台湾ではアルデンテに出会うことがあまりないとも聞く。茹で過ぎが多いという風に聞いているからこんなパスタはとても貴重かも知れない。シャキシャキとしたパスタの触感が嬉しい。そこに絡まるソースも絶品だった。写真は１つしか取っていないけれども、それ以外にトマトソースのパスタも頂いた。これもとても美味だったと記憶している
看板は掲げていないけれども通称では「前田家」と呼ばれているらしいことを知った。シェフたちがそう言っていたし、お客さんもそう呼んでいる。シェフの名前が前田さん、そしてその若いご家族が携わっているので「前田家」。分かりやすいネーミングだ
初見ではなかなかハードルが高いうえ、そもそも見つけづらい店だ。しかしこうして常連の道先案内があると台北の新たな世界が開けてくる。こんな店もあるんだなと。台北はシンプルな街だが、また一つ台北の多様かつ複雑な側面を垣間見た気がする夜だった
