アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

小石川植物園で昆虫写真を撮る

 
 
 
 
先日久しぶりにキャノンM3を持ち出していくつか写真を撮ってみた。その時の写真が”大名屋敷庭園跡に遊ぶ”に上げた写真なのだが、なんだか出来に満足いかない。なんとなくピンボケしているし、オートフォーカスで撮影しているせいだと思うが昆虫にバシッと焦点が合わず何度もボタンを半押ししている間に被写体に逃げられたりしてしまう。なんともまどろっこしい思いをした
 
そんなわけで、説明書を読んでにわか仕込みでマニュアル操作を学習し、勇んで小石川植物園に向かい初めて撮影してみたのが上の写真なんである。素人なので何とも言えないが、昆虫という小さな生き物にマニュアルで焦点を合わせるのはとても難しいと感じた。太陽の日が差す中で液晶画面を見ながら焦点を合わせる作業をしても、液晶が見づらいので焦点が合っているのかあっていないのかが正直言ってよく分からない。あるいは、分かりづらい。なんとなく「こんなもんかな」と思ってシャッターを押した結果がこれらである。いろいろとスキル的な改善の余地がありそうだが、まあ、見られない写真でもあるまい。そう信じている
 
ところで植物園を歩いて気づいたのだが、(僕と同じように)花や木を見ずに傍らの茂みあたりを探りながら歩いているオジサンたちが複数いることに気づいた。僕と同じ格好だ。首からカメラをぶら下げ、背中にリュックを背負い、ほぼ間違いなく一人で茂みを覗いている――。おそらく狙いは同じなのだろう。たぶん、昆虫の写真を撮っているオジサンたちなのではないだろうか。先輩オジサンたちに畏れを感じつつ、素人が見よう見まねで写真を撮っているのはなんだか場違いな気もしたが、そんなことは誰も気にしてはいないだろう。意外なことに園内でビニールシートを敷いてピクニックをしている家族が多いことに驚いたが、誰も僕の存在など気にしているようには見えなかったのは幸いだった
 
嬉々としてハエの写真などを撮り、そういえばハエごときも最近は見かけなくなったと思いつつ、あまり珍しいような昆虫が見つからなかったことに若干の落胆をしながらそろそろ引き上げようかと植物園出口の方に向かったところで複数のオジサン、並びに女性の方たちがカメラ(もしくはスマホ)を向けている草むらがあった。シマアザミだ。明るく小さな紫色の花が咲いたシマアザミにたくさんのチョウが群れている。しかも一種類ではなく複数のチョウだ。初めての写真撮影の終盤にこんなクライマックスがやってくるとは。僕も真似して写真を撮りまくった
 
アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモン、クマバチなどなど。複数の昆虫がたくさんやって来ていた。そんな中、初めて見るような、しかしいつか見たことがあるような、動きと形状がとても独特な昆虫がやってきた。ホウジャクである。ホウジャク、カタカナではよく分からないが漢字にすると”蜂雀”と書くらしい。ハチとスズメである。実際にはガの一種らしいが、動きと体形が非常に独特だった。まず、蜜を吸うのに花には止まらない。ずっと空中でホバリングをしている。ハチドリのようにホバリングしながら、とても長い口(口吻(こうふん)もしくは吸収管(きゅうしゅうかん)というものだと思う)を伸ばして蜜を吸っている。とてもガには思えない。M3のバッテリーが切れていたためスマホで撮影したのだが、超高速で動かす羽根はスマホのカメラではとらえ切れなかった。それくらい羽ばたきが早い。そして花を次々と移動していくスピードもかなりのものだ。そしてその独特な形状。尾の部分?がまるでエビのようでもある。そしておよそ昆虫らしくないつぶらな目がとても可愛い。一目見た瞬間にこの昆虫のファンになってしまった