ほんのりと黄色みがかった色あい
香りの第一印象はトロピカルフルーツのニュアンス
まろやかなアタックにきれいな甘みが舌の上で横に広がっていく。石灰のようなパウダリーなミネラル、そしてほのかな苦味。控えめで目立たない酸がそっと寄り添い味わいを端正なものに仕立てている印象がある。甘みにも寄り過ぎないバランス感に優れた味わいで、滋味深い。全体的にはきれいな酒質でキレも感じられる
自粛生活のさなか久しぶりに大塚まで散髪に出かけた帰りに立ち寄った酒屋「こだま」でラベルと価格を見て購入した。後で調べてみたところこの春宝の他にも四季を表す「夏宝」「秋宝」「冬宝」も出ているようで合わせて「四季シリーズ」を構成しているようだ。雪室で熟成させることで季節ごとに味わいの変化を楽しむことができるらしい。この「春宝」は生酒のフレッシュなタイプとのことだが、確かに熟成によるコクや深さはまだ感じられない溌剌とした日本酒だったように思う
店主好みのハードロックかメタルの音楽がこの日も店内でガンガン鳴っていた。ただ酒を売るというだけではなく自分が気に入り交流もある酒蔵のものしか売らないという方針の、この界隈では貴重かつ意欲的な酒屋さんだ
４月から会社にも通わなくなり、必然、東京駅ナカのはせがわ酒店にも出向くことがなくなった。日本酒を飲む機会がすっかり減ってしまっていたが、久しぶりに飲んだ日本酒はやはりおいしかった。和食に合わせるにはやはり酸味と果実味のワインではなく、日本人の主食である米の旨味が感じられる日本酒だろうということを再確認した
若乃井 特別純米酒 春宝
蔵元：若乃井酒造株式会社
住所：山形県西置賜郡飯豊町大字中９４７-３
原料米：山形県産美山錦
精米歩合：６０％
日本酒度：－２～＋２
酸度：１．４
アミノ酸度：１．４
アルコール：１５．０度
製造年月：Ｒ２年(２０２０年)５月
購入先：地酒屋こだま
価格：１３２０円（税込）
