アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

國家音樂廳、ギターリサイタル




福田進一さんの演奏を生で聞いたのは今回が初めて。席は最前列から2列目、ステージへ向かって右寄りの席だった

演奏が始まってすぐにギター以外の音がステージから聞こえてくることに気が付いた。それが福田さんのブレス音であることがすぐに分かった。ブレス音。まさかギター演奏で息継ぎの音が聞こえてくるとは思わなかったが、どうやら曲に合わせて呼吸も変化しているようだった。それは感情がこもっているためだろうか、ただ指先だけを動かしているのとは違って、喉からも音が漏れてくる。その音が、客席から聞いていてもはっきりと分かるほどに聞こえてくる

さすがの表現力だったように思う。前に登場した演奏者もミスがなく上手だったが福田進一さんの演奏と比べるとやや機械的にも思えてしまった。福田先生の演奏には数か所ミストーンがあったようにも思うが、強弱のつけかた、スピードの緩急、弾く弦の位置を工夫したり右手の使い方もやりたい演奏によって変化させてて音をコントロールしていたような気がする

日本を代表する演奏者のギターはこういうものか。歴史的な建物の中でとても良い演奏を楽しむことが出来たと思う