今回のイベントは日本を代表するギタリストであるCharのシグネチャーモデルのフェンダー・ムスタングを絡めたもの。Charに加えてポルカドットスティングレイとCHAI（チャイ）が出演しそれぞれにライブ演奏を実施する
フェンダー・ムスタングはいわゆるスチューデント・モデルと呼ばれるようにギターを始める学生が最初に手にするによさげな価格の安いモデルではあるものの、Charがメインギターとして使用することで日本では特に人気があるとされるギター。イベントでChar自身が話していたようにCharの他に好んでムスタングを使用しているギタリストというとニルヴァーナのカート・コバーンという名前がすぐに上がってくるようにグランジ系のギタリストはわりと使用しているイメージはあるけれど、Charのようなテクニカルなギタリストが使用するには少し物足りないギターであるような印象はつきまとう（ちなみにノラ・ジョーンズ（Norah Jones）も赤いムスタングを愛用している。これに絡む話はいつかまた別途ブログに書いてみたいと思っている）。だからこそ、ショートスケールでボディも小ぶりのこのギターをCharが使っているということがChar自身のギタリストとしての個性にもなっているような気はする
イベントで演奏したCharのプレイは確かに素晴らしいものだったけれど、どうでしょうか、個人的な好みの問題は避けられないもののやはりギターの音という点からするとあまりよい音ではないような気がする。音の好みは人それぞれだということは理解できるけれど、ムスタングを使うCharが「ギターの音はよく分からない」と言っていたのは本当なのかも知れないな、とも思ってしまった。「弘法筆を選ばず」とはこのことか
意外にも音にはあまりこだわりがないというギタリストは確かに存在する。僕が習っているギターの先生も「俺はただ速く弾きたいだけ、ということに気づいた」というような発言もしていたし（この先生はジョン・マクラフリンやザック・ワイルドなど速いギタリスト好き）。Charがムスタングではなく、同じフェンダーのギターであってもフェンダー・ストラトキャスターを使ったらもっとよい音は出ると思う。でもストラトを使ってしまったら他の多くのギタリストと同じような音になってしまってCharとしての個性が出なくなってしまうのかも知れない
それにしても、CHAI。上の写真はＪＲ東京駅のホームにあるi-Phoneの看板に取り上げられているCHAIの写真で、それだけメジャーになってきているとは思うもののまだそれほど露出が多いわけではなくあまり知られていないバンドじゃないかと思う。ＪＲ東京駅の利用者のうち、上の写真を見てそれがすぐにCHAIだと判る人はあまりいないんじゃないだろうか。しかし最初のうち「この４人組、誰？」という雰囲気の中でバンドが演奏し、繰り出していくグルーブ感にこの日のイベントに参加していた視聴者も徐々に体が揺れていくのがその場にいて感じ取れた。とてもセンスがいいバンドが出てきたという気がする
