アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

2023年 ラオス(ルアンパバーン)旅行④



 

この日は日本では元旦にあたる1月1日。こんな南国でもサンタクロースだったりクリスマス的な飾り付けがところどころに見られる。西洋文化の浸透力は凄まじい

 

地球の歩き方に載っていた地元のマーケット、タラート・ポーシー(Phosy Market)まで歩いて出かけてみた。何か具体的な目的があったわけでは無いのだが、時間もあったし、地球の歩き方によると「町の中心からは少し離れるが、一見の価値あり」とのことだったので出かけた見ることにしたのだった

ルアンパバーンの街から随分離れてしまった感じがするが晴天の中で道路の砂ぼこりが舞い上がるような乾いた道の上をカブちゃんと2人で歩いて約20分くらいだろうか、ようやく目的のマーケットに着いた。いざ内部へ入ってみるとかなりローカル色の強いマーケットで、衣類、米、お菓子などの食べ物、雑貨類、あらゆる日常生活に必要な物資が売られている。ただ僕たちが手にしたいと思うようなものはほとんどなかった。唯一、カブちゃんが目を付けたのが花柄があしらわれたプラスティック製のチープなお皿だった。確かに東南アジアの雰囲気が出ているし実際に価格ももの凄く安い。軽いしお土産にも良さそうだ。2枚購入した。買い物はそれですべてで、またカブちゃんと歩いてルアンパバーンの街中まで戻った

 

ルアンパバーンの街の入り口にあるお寺を散策したりして過ごしつつ、午後にはルアンパバーン国立博物館を見学した。チケットを買って中へ入ると「こちらへどうぞ」というような日本語が聞こえてきた。カブちゃんに「日本語だよ!」と言うとその男性が「日本人です」と話しかけてきた。こんなところで働いている日本人がいるということが驚きだった。博物館を見た後にその男性に話しかけて少し話をしてみたいと思っていたのだけれど、再び入口のあたりへ行ってみたらすでにその男性の姿は消えていた。もしかしたら事務所の中へ入っていただけかも知れないが敢えて呼び出すほどのことでもないと思い、そのままで出口を出てメコン川へ移動した。いずれにしてもこの博物館は見ごたえがあるのでせっかくルアンパバーンへ来たら訪問することをお勧めしたい

 

この旅行のハイライトの一つでもあるメコン川クルーズ。夕方に出発して船上で日の入りを見学するコースだ。一杯の飲み物もついてきた。僕はモヒート、カブちゃんはこの旅ですっかりお気に入りになったビアラオを。トータルで2~3時間のクルーズだった

クルーズの最後の方で係りの方からバナナの葉っぱのような細長い葉っぱを一人に2枚ずつ渡される。説明によるとそれぞれに願い事、処分してしまいたいトラブルなどペンで書けと言う。そして願い事の方は木か葉っぱの繊維のようなもので縛り、トラブルの方は赤いヒモで縛れと言う。ひとしきり乗客が書き終えたところで再び係りの人が登場し、願い事は金色の壺へ、トラブルの方は銀色の壺へ入れる。その後に願い事を書いた葉っぱは2匹のナマズが入った水槽に投げ込まれ、カウントダウンの後に水槽の栓を抜くやナマズと共にそれら願い事が書かれた葉っぱたちはいっせいにメコン川へ放流、放出される。一方のなくしたいトラブルを書いた葉っぱの方は船上からメコン川の方へ張り出した鉄棒の先に石と共に括り付けられた状態でぶら下げられ、こちらもカウントダウンと共に真っ逆さまにメコン川の中に投入された。重石と共にメコン川の暗い水底に沈んでいった(と思う)

神経質な僕が少し気になったのは、願い事を書いた葉っぱのいくつかがナマズの水槽の中にいくつかまだ残っているということだった。そう言えば水槽が運ばれてきた時に既に葉っぱが水に浮かんでいたがあれは前の乗客たちの願いが書かれた葉っぱだったのだろうか。そして水槽の中に残ってしまったあの葉っぱに書かれた願い事は一体どうなってしまうのか。次のターンの時にもう一度水を張った水槽の中に浮かび、次の乗客たちの願い事が書かれた葉っぱたちと共に再びメコン川へ放出されるまであのまま放置されてしまうのだろうか。場合によっては2度目も運悪くメコン川へ放出されないかも知れないのではないか。もしかしたらあの残された葉っぱは僕の願い事を書いた葉っぱではないのか。まさかね。そんなことを考えて少しモヤモヤしてしまうのだった