アルさんのつまみ食い4

旅と食とワインと・・・ずっと続けます

Eva Air Marathon 2023

 

 

台湾に来るにあたって現地で何が出来るのか、何をしたらいかにも駐在生活を送っているという時間が持てそうなのか、そもそも台湾には何があるのか、ということを調べたことがある。なに、別に特別な何かをせずとも日常生活を送るだけでも十分に海生活というものを味わえることは間違いないわけだが、何かこう、特別な何かを求めてしまう

台湾人が一生を終えるまでにチャレンジすべきことが3つあるらしい。玉山に登る。日月潭で泳ぐ。そして自転車で台湾を一周する。ぼんやりと「やってみようかな」と思いながら来台した訳だが、話を聞いている限り台湾人でもなかなかこの3つをやった人には出会わない。これを日本に置き換えてみると、富士山に登る、琵琶湖を泳ぐ、そして日本一周自転車の旅をする、という感じになりそうだが、日本人の中にもこれらを達成した人を見たことがないというのと同じように、ここ台湾でも相当レアなことなんじゃないかという気がする。もっとも、台湾一周と日本一周とでは少し比較対象としてスケール感が違うのは分かっているが

 

先に書いた3つを達成するのは難しそうで、代わりに身近なところで、しかも大した時間とお金をかけずにできる思い出作りとしてマラソン大会に出てみるというのが面白いチャレンジになるかも知れないと思った。そう思い立って申し込んだのがエバー航空ラソンなのである。とはいえ、マラソン大会なんてもうかれこれ30年くらい参加していない

一番最後に走ったのはおそらく高校時代のマラソン大会であろう。赤城山のふもとにある高校のマラソンコースはその赤城山のすそ野を約8キロほど走っていくというものだった。いま思えば景色はとてものどかなものだった。田園や畑の中を走っていく、いかにも地方にある高校の運動会といった趣だった。僕の人生で体力的なピークにあったのはおそらく高校時代で間違いないと思うが、その高校生の頃でも8キロを走りきるのはいささか辛かった覚えがある。だから50歳を目前とする人間が、しかも30年ほどの間に渡り走るという行為をやめて久しい人間が、いきなりフルマラソンにチャレンジしようとは思わない。ハーフも厳しい。10キロ、もしかしたら頑張れば走れるかもしれないが、初挑戦の今回はまずは3キロでエントリーしたのだった。参加証としてTシャツがもらえるというのも嬉しい。良い記念になる

 

23年の6月頃から練習を開始した。練習でも3キロ程度の距離を走ることにしたのだが、最初のうちは死ぬほどつらい。そもそも走るということに慣れていない自分がいる。体の周りにうっすらと、しかし確実についている余分な肉が走ると揺れる。こういう感覚は高校時代には味わったことのないものだった。しかしそれが3回、4回と繰り返していくうちにだんだんと走るという行為に慣れてくるのが分かった。少しスピードを上げて走ることもできるようになってくる。一方で体形はそれほど変わることはなかった。走れば痩せるかと思ったが、なかなかそういうものでもない。もっとも、週に1~2回走るくらいでは体形が変わるほどの運動負荷はないのだろう

 

本番は23年10月22日。日曜日。カブちゃんについてきてもらってスタート地で展である大佳河濱公園まで向かった。スタートは8時半。フルマラソンや10キロに比べるとだいぶゆっくりした時間からのスタートだ。3キロの参加者募集は4千人だったから相当な数の人数だと思うが、その人たちがこの基隆河沿いを駆けていく

想定外だったのが、参加者数に比べて道幅が狭いため自分のペースで走れないということだった。歩かざるを得ない時間帯もあった。走れる時も道が混雑していたので練習通りに自分のペースで走るということが出来ない。これは意外なことだった。おかげで全く疲れもしないし、曇りの日で気温が低めだったということもあって汗すらもあまりかかない状態で、およそ20分程度であっさりとゴールをしたのだった

 

来年はカブちゃんを誘ってまた3キロを走るか、あるいはロードを走る10キロに挑戦しようかと思っている